不動産取引ガイド

借地権のメリット・デメリット

不動産広告を見ていて、思わず「安いな」と感じる物件があるかもしれません。

一般的に、相場より安い物件があった場合は、「再建築不可」や「事故物件」など、何か安いなりの理由があるものです。

そのような相場より安い理由の一つが、土地権利が「借地権」になっている場合です。

借地のメリット

土地の権利が所有権でなく借地の場合には、不動産の価格は安くなります。

駅から近い立地の良い物件を買おうとした場合、予算が相場感と合わない場合には、借地の物件は選択肢になるかと思います。

購入価格を抑えて希望の条件を叶える、という点は、借地のメリットです。

そして、借地の場合には、固定資産税がかかりません。

また、将来相続が発生した場合にも、土地所有権を所有しているよりは資産価値が低く評価されるため、相続税対策としても有効です。

借地のデメリット

借地のデメリットの一つは、毎月の地代が発生するという点です。

マンションの場合には、管理費修繕積立金などと一緒に引き落とされるケースが多いですが、戸建の場合ですと、毎月振り込まないといけない、又は毎月持参しなければならない、といった制約も発生します。

もう一つは、住宅ローンがきちんと組めるかという点です。

住宅ローンの商品によっては、借地の残存期間しか住宅ローンが組めない、といったものもあります。

この場合、長期の35年の住宅ローンを利用したかったのに、20年しか組めなかったといったケースも発生します。

最後のデメリットは、処分や売却がしづらい、という点です。

もし事情により売却しなければいけなくなった場合でも、売却をするには地主の「承諾」をもらわなければいけません。

また、一般的に承諾をもらうためには、「承諾料」が発生します。

こうした手間やコストがかかってしまう点も、借地のデメリットです。

総合的な判断が必要

借地には以上のようにメリット・デメリットがありますが、その判断はそれぞれの物件によって異なります。

借地のデメリットを上回る立地の優位性や流動性が見込める、地代と固定資産税の比較をした場合のコスト差、住宅ローンが組めるか、などをひとつひとつチェックする必要があるかと思います。

もし気になる物件の土地権利が借地だった場合には、お住まい探しのパートナーとなるエージェントに相談してみましょう。

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