不動産取引ガイド

物件選びのおかしな条件

今回は最近電車で見かけたおかしなCM映像について触れたいと思います。
 
その映像は新築マンションのCMです。
奥さんが出てきて「キッチンが暗い!次!」と物件に不満の様子。
それを見た旦那さんが「いい物件だと思うんだけどな」とぼやきます。
どうやら何度も続いているようです。
CMは奥さんがしあわせな家庭の象徴としてキッチンにこだわっていて、プロポーズ時の約束を思い出した旦那さんが考えを改める、と続きます。
キャッチコピーは「2人で探せばきっと見つかる」。
 
このCMの設定では、物件選びの条件はキッチンが明るいことです。
ここでいう明るさを「自然な明るさ」と「人工的な明るさ」に分けて考えてみます。
「自然な明るさ」は採光の問題で、そもそもマンションのキッチンに自然の採光を求めるのもおかしな話なので、CMが言わんとする明るさは人工的なものだと思われます。
 
それでは人工的な明るさは何かと言うと、照明・壁紙(場合によっては床材も)・キッチンの色です。
だんだんこのCMのおかしな点がおわかりいただけると思いますが、要するにこの奥様はキッチンの照明が暗い、もしくは壁紙やキッチンの色が落ち着いた雰囲気なのが気に食わなくて物件を探し歩いているという訳です。
これでは2人で探しても新築マンションでは100%納得のいく物件は見つかりません。
 
そもそもキッチンは単なる設備でしかないので、はっきり言って買った後でもなんとでもできます。
ここまでキッチンにこだわりがあるなら、そもそも新築マンションを検討していることがおかしいです。
部屋の雰囲気にこだわりたい人は注文住宅か中古でリフォームする方が現実的です。
新築マンションのCMもいろんなパターンが出ているので、少し変化球を投げた、と言ったところでしょうが、キッチンの良し悪しで物件を選ぶという意味がわからないCMが出来上がった訳です。
 
しかし、おかしな条件でこだわりの家探しをする方が多いのも事実です。
ルーフバルコニーがいい、専用庭がいい、トイレは二つ欲しい、書斎が欲しい、ウォークインクローゼットが欲しいなど、間取りや内装を条件に物件探しをする人が多いですよね。
これは頑張って調べないと住宅の資産価値という概念に辿り着けないという事情が影響しています。
(新築を売ろうとする住宅業界の宣伝の影響が大きい)
しかし、住宅購入時の選択が後の人生に大きな影響を及ぼすのも事実で、資産価値を検討せずに住宅を購入してしまうと、万が一の時にどうしようもなくなる恐れもあります。
 
住宅購入で必要なのは資産価値が維持できるかどうかが大切で、間取りや内装は二の次です。不動産の資産価値は立地でしかないからです。周りの雰囲気に呑まれず、慎重に検討したいものです。

リニュアル仲介の稲瀬でした。

———————————————–

「資産となる家を真剣に考えるセミナー」

・マーケットを知る
・資産性とは何か
・リスクを考える
・減税・補助金
・私達ができること

↓ 詳細はコチラ ↓
http://www.rchukai.com/#!seminar/c1vy0

———————————————–

思わぬ税金がかかる?不動産の名義変更について前のページ

憧れの一戸建て。リアルに買えるエリアの見つけ方。【前編】次のページ

ピックアップ記事

  1. 土地価格の相場を知る方法
  2. 住宅購入と 生涯の資金計画
  3. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  4. 危険な場所は 地形図で見分ける
  5. 立地適正化計画をご存知ですか?

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    不動産用語について

    不動産用語は難しく、まず用語検索からされている方も多いのではないでしょ…

  2. 不動産取引ガイド

    バブル崩壊後、土地に対する意識の変化で「迷子の土地」が増えている!

    このまま放置すれば大変になると言われる「迷子の土地」というものがありま…

  3. 不動産取引ガイド

    基礎と同じ様に土壌も気を配って見てください。

    近頃マンション購入希望者の見学ツアーがあるのご存知ですか。建築…

  4. 不動産取引ガイド

    是非一度ショールームを見に行ってみましょう!

    ご存知ですか?住宅設備のいろいろ。物件にはおおまかに新築と中古に分…

  5. 不動産取引ガイド

    寝室の条件

    人生の1/3は睡眠時間と言われますが、眠る為の環境をどのように配慮すれ…

  6. 不動産取引ガイド

    住宅購入には投資家の目線が必要

    多少都心から離れても…多少駅から遠くても…、かつて住宅の供給数が足りて…

  1. 不動産取引ガイド

    注文住宅と建売住宅の違い?
  2. 天災・事故等

    下水管の事故にも火災保険って使えるの?
  3. 不動産取引ガイド

    築40年前後の中古マンション購入を検討している方に知っておいて欲しいこと
  4. お金・ローン・税金

    “頭金”で使ってしまう前に、激安の資金調達手段を考えよう!
  5. 不動産取引ガイド

    2018 年2月度の不動産相場
PAGE TOP