不動産取引ガイド

住宅購入で新築を選ぶ理由と裏で犠牲になる将来へのリスク

初めて家を買う時に、新築にこだわる人が多いです。
それでは、そこまで新築にこだわる理由って何でしょう?

色々なご意見があると思いますが、まとめると「新品であること」が大きいと思います。
問題なのは「新品であること」の裏で犠牲にしていることに目を向けさせないように住宅事業者が誘導していることです。

多くの住宅関連事業者は新築が売れないと困ります。
人口が減ろうと、空き家が増えようと、自分たちが食べていくためには新築を売らなければならないのです。
そして新築である理由をたくさん考えて消費者へPRします。
駅近、利便の良い立地は中古のエリアなので、少し劣る立地でも「新築だから」と勧めてくるのです。
そして消費者も「新築だから」と受け入れてしまうのです。
日本の住宅市場の問題点は、新築が売れないと困る事業者の方がメジャーであることです。
情報が消費者へ一方的に届くので正しく判断できる状況ではありません。

日本は人口減で、家が余ります。これは決定事項です。(移民を受け入れる社会にならない限り)
単に人が減るだけでなく、極端な少子高齢社会を迎えます。
今から家を買う方が、家を売るタイミングとなる30年~40年後は、今より圧倒的に家を必要とする人が減ります。
※余談ですが、後期高齢期を快適に過ごすには、自宅の資産化、年金化が不可欠になります。
後期高齢期に必要なコストも今よりずっとシビアになります。
(今の年金制度が維持継続できるかについては、ここで述べるまでもないと思います)

一部のお金持ちを除いて、一般的な人はもはや住居費を消費する余裕がありません。
住宅ローンの支払いがそのまま将来への貯蓄になる買い方が必要です。
将来人が減っても売れる、貸せる立地選びこそが第一です。
また、建物価値は経年で棄損してしまいます。新築の方が棄損の割合が大きくなる傾向があります。

私達の親世代が家を買った時とは状況が違います。
新築を買うという贅沢ができる人は限られると考えた方が賢明です。

問題は、現時点では買おうと思えば新築を買うことができると言う点です。
そして今新築を買ってしまった人は数十年後、自分が年を取ってから現実を突きつけられるのです。
今の家の買い方が将来の自分の選択肢に大きく影響を及ぼします。

ここまでを踏まえて再度問います。
「その新築には将来の家族のリスクを天秤にかけるほど価値はありますか?」
答えは「No」です。(買って5年も経過すれば新築である満足感なんてキレイに吹き飛びます。)
住宅業者が新築を勧めるのと同じかそれ以上に、「中古」がお勧めである理由も十分にあります。
住宅業界の甘言に踊らされないで、住宅は資産であることを冷静に検討しましょう。

リニュアル仲介の稲瀬でした。
※お正月は新築PRが盛んになります。業界全体で偏ったPRになっていることが実感できると思います。
***************************************************

■不動産の資産価値を即座に判断

セルフインスペクションアプリ「SelFin」

https://self-in.com/(ご利用は無料です)

■資産となる家を真剣に考えるセミナー

http://www.rchukai.com/#!seminar/c1vy0

***************************************************

日常生活で使う明かりですが、読書や睡眠など暮らしの様々なシーンにふさわしい明かりがそれぞれあります。前のページ

今、ピークを迎えている「ふるさと納税」と「住宅ローン減税」の関係性をご存知ですか?!次のページ

ピックアップ記事

  1. 危険な場所は 地形図で見分ける
  2. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  3. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?
  4. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  5. 立地適正化計画をご存知ですか?

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    マイホームを探すHINT!

    2025年以降で政令指定都市で15%以上下落する都市が現れるなどの見出…

  2. 不動産取引ガイド

    今、不動産売却が増えている?!事業者の選定方法について!

    現在、物価高騰の影響により、不動産の見直しを検討する方が増えているよう…

  3. 不動産取引ガイド

    持ち家or賃貸の判断の目安について

    家計の長期的なプランを考える際に住宅を購入(持ち家)するか、賃貸に住み…

  4. 不動産取引ガイド

    離婚による財産分与と不動産の話

    結婚を機に不動産を購入される方も多いですが、近年では3組に1組が離婚す…

  5. 不動産取引ガイド

    マンションの建て替え

    築50年のマンションの建て替えについて問題視されている記事を目にします…

  6. 不動産取引ガイド

    あなたの夢のマイホーム、実は〇〇万円必要!? 衝撃の諸費用の真実

    不動産を購入する際、物件の価格以外にもさまざまな費用が発生します。一般…

  1. 不動産取引ガイド

    子育て中のママでも学べる方法
  2. 不動産取引ガイド

    太陽光パネルの垂直設置のメリットやデメリットについて
  3. 不動産取引ガイド

    増える「安心R住宅」中古不動産流通の促進に向けて
  4. 不動産取引ガイド

    フラット適合証明書の残念な事例
  5. 不動産取引ガイド

    本当に買って大丈夫?販売チラシに「計画道路あり」の記載を見つけたら
PAGE TOP