不動産取引ガイド

マンションの財務状況の調べ方

中古マンションの良し悪しを判断する際には、下記の4つが大きなポイントとなります。

部屋が綺麗、汚いというのは、リフォームすれば綺麗になりますし、ご自身の予算の振り分け次第では、新築マンションよりも高グレードにすることだってできますので、正直どうでもよい軽微な問題ですが、下記の項目は、自分自身では解消のしようがない超重要ポイントです。

1.新耐震or旧耐震。

2.これまでの維持管理の状況と現在の財務状況。

3.眺望、陽当たり。

4.共用施設の充実度。

上記1については、以前に投稿した★★『よくある間違い。新耐震のつもりが旧耐震だった!』★★でご説明しておりますので、今回は、上記2についてご説明したいと思います。

「財務状況が悪く、必要な修繕もままならない」とか、「現在は築浅で綺麗だが、今のペースでは到底、将来の修繕の資金を工面できない。」というようなマンションも少なからず存在します。

下記リンクの資料は、「重要事項に係わる調査報告書(名称は管理会社により若干違います)」とよばれるもので、中古マンションの取引に際して、不動産仲介会社からマンション管理会社に発行の依頼をかけて、有料で発行してもらうものです。

≪重要事項に係わる調査報告書≫

https://rchukai.jp/c_doc/201807120003.pdf

下記の点に注意して書類を確認するようにしましょう。

・マンションの全体の修繕積立金残高と滞納額

・マンション管理組合での借り入れの有無

・これまで実施した修繕の履歴の有無とその内容

・その他特記事項

内見の際に、外壁などに劣化事象が見られたにも関わらず、修繕積立金残高が少ないというような場合には、購入を見送ることも考えなくてはいけません。以前に投稿した、★★『起こりえる絶望的な新築マンションの未来。本部エージェントの現場レポート≪中古マンション編≫5』★★のようなこともあり得ますので、注意してください。不動産仲介会社が「重要事項に係る調査報告書」を取得するときには、併せて「長期修繕計画表」も取り寄せていることが殆どです。長期修繕計画表には、「いつ、どのような工事が必要で、いくら必要なのか?」というような、将来の計画が書かれています。あくまで計画であり、必要とされる工事や金額については想定ですので、実際には、そのタイミングで建物の調査を行ない、適宜計画を修正しながらマンションの維持管理をしていくことになります。現在の積立金残高が、おおむねその計画通りに貯まっているのかなども、チェックしておくようにしましょう。

その他、皆様がペットを飼育したいとか、カーペットではなくフローリングに変更したいとか、楽器を演奏したいというような希望がある場合には、それらについても記載されていますので確認しましょう。駐車場の空き状況についても記載がありますが、調査時点に「空きあり」となっていたとしても、皆様が引き渡しを受ける(=所有権移転)ときまでには空きが無くなってしまうこともあり得ますので、参考程度にとらえておくようにしましょう。通常は、引渡前に空き区画を予約するとか、売主が使用していた区画を引き継ぐといったことはできませんが、例えば、身障者用区画でないといけないというような特別な事情がある場合には、管理組合と相談の上、所有権移転前に区画をおさえることができることもあります。

契約をする前に、これらのことも確認し、納得して住まいを購入するようにしましょう。

以上、リニュアル仲介本部パイロット店 エージェント石川でした。

不動産取引においてのクーリングオフを使える場合をご存じですか?前のページ

不動産に公的IDを発行して取引履歴を管理?!中古住宅促進に「履歴書」?!次のページ

ピックアップ記事

  1. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  2. 危険な場所は 地形図で見分ける
  3. 立地適正化計画をご存知ですか?
  4. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?
  5. 住宅購入と 生涯の資金計画

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    住宅の質‼

    今までのように新しい建物を取り壊しては建て直すという住宅供給の流れから…

  2. 不動産取引ガイド

    認定長期優良住宅等の取得時に選べる2つの特例、どちらがお得?

    マイホームを新築・購入する際には、迷われることが数多くあると思います。…

  3. 不動産取引ガイド

    定期借地権付きの住宅って所有権付き住宅と何が違うの??

    定期借地権とは、50年以上の契約期間を定め、期間満了時に更地にして返還…

  4. 不動産取引ガイド

    過ごしやすくする換気や除湿

    いよいよ梅雨の時期なりました。いかに快適に過ごせるのか、どのように…

  5. 不動産取引ガイド

    中古戸建の断熱リフォームで資産価値を守る!失敗しない断熱改修のポイント

    住宅購入を検討する際、特に中古戸建てを選ぶ方にとって、断熱性は見逃せな…

  6. 不動産取引ガイド

    限られた資金で満足感を得るコツ

    理想の家を手に入れる為、あれもこれもと希望を盛り込むと価格も膨れ上がり…

  1. 不動産取引ガイド

    「築年数によってどれくらいのリフォーム費用が掛かるの?!」
  2. 不動産取引ガイド

    どうなる今後のマンション価格!?物件価格と金利の影響についても
  3. お金・ローン・税金

    育休中でも住宅ローンは契約できる?
  4. 不動産取引ガイド

    【本当にいいの?】住宅ローン減税の制度改正で既存住宅売買瑕疵保険はいらなくなった…
  5. 不動産取引ガイド

    住宅購入は不安でいっぱい
PAGE TOP