不動産取引ガイド

「増築未登記」など、現況と登記の相違に注意

販売図面にある「増築未登記」という文言は、さらっと書いてあっても注意が必要です。

希望した住宅ローンが使えない、想定外の費用がかかる、などのトラブルに発展するケースがあります。

増築未登記の問題

増築工事で1部屋増やした場合や、ベランダをサンルームに変更した場合など、本来であれば登記されている建物の面積を変更する必要があります。

ただ、実際には登記がされず、未登記のままになったまま売りに出されている物件も多くあります。

それが「増築未登記」と呼ばれる物件です。

この増築部分については、きちんと登記を変更しないと、金融機関が住宅ローンを貸してくれない、といったケースもあります。

増築部分を登記するためには、リフォーム工事をした際の建築会社の領収書や、設計図書などが必要になる場合もありますが、ずっと昔に工事をしており何も資料が残っていない、といった事例もあります。

思ったようにスムーズに手続きが進まず、希望の住宅ローン、狙った低金利のタイミングに間に合わない、といった事態にも注意が必要です。

建築当初から現況と異なる登記にも注意

その他、ご相談いただいたケースには、実際には地下があるのに、登記上は地下のない2階建てとして登記されている建物もありました。

この場合も同じように登記を変更しないと融資を受けられないケースもありますし、そもそも毎年の固定資産税が大幅に増加してしまう、というケースもあります。

2階建ての木造が、地下コンクリート1階付きの地上2階建てとなった場合、毎年の固定資産税が増えますし、場合によっては過去の未払いの固定資産税の清算が必要になるかもしれません。

現況と登記が異なる場合には、諸々注意が必要です。

購入する際に注意すること

現況と登記が異なる物件を購入する場合には、先に売主側で登記を変更してから引き渡してもらえるよう交渉する必要があります。

買付の申込書に書く、売買契約書の特約に記載する、といった方法があるかもしれません。

ただ、売主側の負担が増えることになるので、価格についての交渉も進めている場合や他の条件でも希望がる場合には、交渉の進め方にも注意が必要です。

こうしたケースでは、きちんと買主側の立場に立って交渉を進めてもらえるエージェントとタッグを組んで進める必要があります。

まずは信頼できるエージェントを見つけるようにしましょう。

住宅ローンは何が良い?!コロナ禍で賃貸から売買を検討する方が増えている?!前のページ

事前審査の必要書類から銀行は何を見ているか?次のページ

ピックアップ記事

  1. 住宅購入は不安でいっぱい
  2. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?
  3. 土地価格の相場を知る方法
  4. 危険な場所は 地形図で見分ける
  5. 買ってはいけない物件を自分でチェック

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    年末年始は耐震をテーマに実家のこれからの話をしましょう

    年末年始で実家に帰省する人も多いと思います。お正月は家族が集まる貴重な…

  2. 不動産取引ガイド

    不動産購入前に確認しましょう!子育て支援が充実しているエリアなのか?!

    ■突然ではありますが、これから不動産購入をするエリアは子育て支援は充実…

  3. お金・ローン・税金

    二重ローン問題 債務免除減額の手続きについて

    熊本の地震で被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げます。&…

  4. 不動産取引ガイド

    耐震等級と一戸建て

    耐震等級とは、建物が地震にどのくらい強いかを示す指標のひとつです。…

  5. 不動産取引ガイド

    敷地が細分化されたマンションのデメリット

    普段気にすることのないマンションの登記簿ですが、実は気を付けておかない…

  1. 不動産取引ガイド

    将来売ることが難しくなりそうなエリアを選ばない
  2. 不動産取引ガイド

    まだまだ減らない「おとり広告」
  3. 不動産取引ガイド

    フルフラットキッチンとは⁉
  4. 不動産取引ガイド

    親からの支援を受けるときの住宅取得等資金の贈与税非課税措置
  5. 不動産取引ガイド

    水道の引き込み管の口径 チェックポイント
PAGE TOP