将来的に消滅する可能性がある市町村を指す「消滅可能性自治体」は、2020年から2050年までの30年間で、20歳~39歳の若年女性人口が50%以上減少すると予測される自治体です。
2024年から30年後(2054年)の推計で全国1729自治体の約4割にあたる744自治体がこの定義に該当するとされています。
消滅可能性自治体対策は、人口減少に歯止めをかけ、地域経済を活性化し、住民が住み続けたいと思える地域づくりを目指すための総合的な取り組みです。
具体的には、若年層の定住促進、子育て支援の充実、地域経済の活性化、移住促進などが挙げられます。
■具体的な対策例
若年層の定住促進
住宅支援(住宅価格の引き下げ、補助金など)
雇用創出(地域企業への誘致、起業支援など)
地域ならではの魅力(自然、文化、歴史など)を生かした観光振興
子育て支援の充実
保育料や給食費の無料化、教育環境の整備など
産休・育休制度の充実、託児施設の拡充など
地域経済の活性化
観光客誘致(イベント開催、宿泊施設整備など)
地元食材を使った料理教室やイベントの開催
地域ブランド商品の開発とPR
移住促進
移住支援金の支給、住宅支援、就労支援など
移住希望者と地域の繋がりを築くためのイベント開催
高齢者支援の充実
介護サービスの充実、医療施設の整備など
高齢者の地域活動への参加促進
コンパクトシティ
人口を都市部に集約させ、公共サービスの効率化を図る
都市部と地方の連携を強化し、医療や教育などのサービスの分担を行う
地域コミュニティの活性化
住民が積極的に参加できるイベントや活動を企画する
地域の情報交換の場を設け、住民同士の交流を促進する
■消滅可能性自治体からだ脱却した豊島区
前回「消滅可能性自治体」に挙げられた豊島区は政策の柱の一つとして
「女性の視点で街を見渡し、誰もが住みやすい区にする」として“女性にやさしいまちづくり”掲げました。
当事者の声を聞こうと、20~30代の女性を中心に集めたイベント「としま100人女子会」を14年7月に開催し、区内で子育てをしたり働いたりしている女性の意見を伺い「豊島区に住みたくなるには何があったらいいと思うか」という質問に、参加者からは「早く希望する保育園に入れるようにしてほしい」「公園はあるが、サラリーマンのたばこ休憩の場所になっていて、気軽に行けない」などの声が上がったそうです。
「どんな街にしたいか」という問いには、「ふらっと寄りたくなる」「子育てクオリティーが高い」「女性を応援してくれる街」などのアイデアが出ました。
区は案の中から、妊娠・出産・子育ての相談を受け付けたり区の担当部署に案内したりする「子育てナビゲーター」の設置や公園施設の整備、若い世代を意識した読み物中心の広報誌「広報としまplus」の発行、また、区は社会問題化していた待機児童を解消するため、保育園の誘致にも注力しました。
区内の保育園数は14年度時点で11だったが、21年度には69まで増え、途中の17年度に「待機児童ゼロ」を達成して以降、19年度を除き「ゼロ」を維持しているそうです。
どの事業が奏功したのか定かではありませんが、消滅可能性都市というマイナスイメージからも既に脱却したとみられます。
■山形の田んぼにポツンとタワーマンション
コロナ禍によってリモートワークが導入されるなど、大きく変化した働き方。山村の自然に囲まれた一軒家で、土いじりをしながらゆったりと暮らす。
そんな地方への移住を想像したしますが、そうした田舎暮らしのイメージと逆行するのが、山形県上山市の田んぼの中にそびえたつタワーマンションです。
山形のタワーマンションの魅力
・断熱効果の高いマンションは一軒家に比べ光熱費が抑えられる
・高層階なら夏の盛りでも窓を開ければ、山からの涼しい風が吹くのでクーラーをつかうのは年に数回程度
・雪国の一戸建では避けられない、毎冬の重労働「雪かき」や「雪下ろし」から解放された田園のタワマンは田舎暮らしにつきまとう不便の解消が売りのようです。
各自治体の努力もあり消滅可能性自治体から脱却するところもあります。
今回調べてみて対策を考えていて、子育て支援・移住促進・コンパクトシティ・地域コミュニティの活性化している所に住みたいと思いました。
リニュアル仲介、渡辺でした。