子育てグリーン住宅支援事業では、国土交通省と連携して、ZEH基準の水準を大きく上回る省エネ性能を有する脱炭素志向型住宅(GX志向型住宅)の新築を支援する新たな補助制度を実施する制度です。
対象住宅であるGX志向型住宅と、ZEH水準住宅や長期優良住宅を調べてみました。
■GX志向型住宅
GXとは「グリーントランスフォーメーション(脱炭素社会に向けたエネルギー転換の取り組み)」の意味です。
GX志向型住宅は、「脱炭素志向型住宅」と呼ばれます。
国土交通省の子育てグリーン住宅支援事業が定義する、高い省エネ性能を備えた住宅がGX志向型住宅です。
■ZEH水準住宅(18歳未満の子供を有する子育て世帯、または夫婦どちらかが39歳以下の若者夫婦世帯が補助金申請対象です)
主な特徴
断熱性能の高さ:断熱等性能等級5は、断熱材の厚さや窓の断熱性能など、様々な断熱対策を講じた住宅を示します。
省エネ性能の高さ:一次エネルギー消費量等級6は、住宅全体のエネルギー消費量を大幅に削減した住宅を示します。
再生可能エネルギーの導入は必須ではない:ZEH住宅は、再生可能エネルギー(太陽光発電など)を利用してエネルギー収支をゼロにする必要がありますが、ZEH水準住宅は、再生可能エネルギーを導入しなくても基準を満たすことができます。
■長期優良住宅(18歳未満の子供を有する子育て世帯、または夫婦どちらかが39歳以下の若者夫婦世帯が補助金申請対象です)
長期にわたり快適に住み続けられるよう、耐久性、安全性、省エネルギー性などが高い住宅を指します。
具体的には、地震に強く、環境負荷が少なく、バリアフリーで、長く住めるように工夫されているのが特徴です。
主な特徴
耐久性:数世代にわたって住宅の構造躯体が使用できるような構造設計がなされています。
耐震性:地震に強く、倒壊しにくく、部分的に損傷した場合でも簡単な補修で住み続けられるように設計されています。
省エネルギー性:断熱性能が向上しており、省エネルギー性能が高く、光熱費を抑えられます。
維持管理の容易性:設備の配管・配線なども維持管理が容易にできるよう工夫されています。
バリアフリー:家族構成やライフスタイルの変化に対応できるよう、可変性やバリアフリーが考慮されています。
居住環境への配慮:地域の景観や環境と調和するように設計されています。
税制上の優遇措置:所得税、登録免許税、不動産取得税、固定資産税の優遇や、住宅ローン減税などが受けられます。
維持保全計画:建築時から将来を見据えた、定期的な点検や補修に関する計画が策定されています。
いろいろ調べてみましたがZEHは、再生エネルギーを除いた一次エネルギー消費量を「基準値より20%以上削減」することを目指しますが、GX志向型住宅では「35%以上の削減」が求められます。
また、長期優良住宅は省エネ性、耐震性、耐久性などを総合的に評価しますが、GX志向型住宅は断熱等級6以上が要件の1つとなるなど特に省エネルギー性能に重点を置いています。
ZEHや長期優良住宅を推奨し、低炭素化を目指していましたが、低炭素化では地球温暖化を抑止するのに不十分だという判断が下され、低炭素化から脱炭素化へと移行が進められています。
GX志向型住宅はZEHや長期優良住宅と比較して、持続可能な未来を目指して設計された住宅であり、環境への配慮と経済性のバランスを重視した設計思想が特徴で、ZEHや長期優良住宅より必要条件が厳しいと言えるでしょう。
簡単に書きましたが支援制度を利用する場合にはいろいろな制約がありますので専門の方にご相談ください。
リニュアル仲介、渡辺でした。