不動産取引ガイド

ちょっと待った!その物件「おとり広告」じゃないですか?

日本経済新聞に不動産の「おとり広告」に関する記事が出ていました。
「おとり広告」とは成約済みの物件をインターネット広告に掲載し客を呼び寄せる悪質商法です。来店した入居希望者には別の物件を紹介し、契約に持ち込む手口です。
業界団体が2015年度に認知した不当表示などの違反物件は3600件を超え、前年度の1.6倍に増えているそうです。
首都圏不動産公正取引協議会のサイトを見てみると、たしかに平成27年度の違反物件は3,619件あったことが確認できます。

■平成27年度・違反物件情報等の共有結果について

(前略)平成27年度(平成27年4月1日~平成28年3月31日)は、3,619物件(うち当協議会管轄エリアの物件数は、2,147物件・59.3%)の違反物件が共有され、また、広告主であるその事業者数は883社(うち当協議会加盟事業者数は474社・53.6%)でした。(以下略)

(ポータルサイト広告適正化部会|首都圏不動産公正取引協議会)

●A社の違反

(ア) 取引する意思のない「おとり広告」3件

例えば、「家賃3.5万円 1R 専有面積25.48m2」等と記載した物件は、(1)新規に情報公開後に取引中止となった以降、顧客から216件もの問い合わせがあり、元付会社に確認をすれば取引できないことが容易に分かるにもかかわらず、約10か月間継続して広告を行い、また、(2)対象のワンルームは6人で共同使用するものなのに、その旨記載せず、あたかも単独で使用できるかのように表示していることから、取引する意思のない「おとり広告」と認定した。なお、このほかにも同様の「おとり広告」が2件あった。

●B社の違反

対象の7物件は、すべて新規に情報公開後に契約済(又は貸し止め)となったが、以降更新を繰り返し、長いもので3か月半以上、短いものでも21日間継続して「おとり広告」を行った。

良い立地で良い価格の物件が出れば、確かに反響はたくさん取れそうです。インターネットで消費者が簡単に物件情報が得られるようになったことを逆手に取った不正行為だと思います。
この「おとり広告」が急増しているということは、従前の集客スタイルに終わりが見えている兆しなのかもしれません。
単なる物件紹介業としての不動産業は間もなく終焉を迎えるんだな、と感じる記事でした。

相変わらずこの業界には消費者への情報遮断で商売しようとする輩が横行して辟易します。そんなことだから、「家売るオンナ」で家を売るためなら平気でうそをつくキャラクターが描かれたりするんです。

しかし、これだけインターネットの技術が進歩してくると、「おとり広告」なんて稚拙な不正は早晩なくなっていくことでしょう。「おとり広告」に縋らないと生きていけないような不動産会社が淘汰されることを強く望みます。

リニュアル仲介ではお客様への情報提供を徹底しています。気になる物件があったら、お気軽にお問い合わせください。

リニュアル仲介の稲瀬でした。

———————————————–

「資産となる家を真剣に考えるセミナー」

・マーケットを知る
・資産性とは何か
・リスクを考える
・減税・補助金
・私達ができること

↓ 詳細はコチラ ↓
http://www.rchukai.com/#!seminar/c1vy0

———————————————–

戸建・マンションで気になる音。騒音には2種類ありますが、軽減させる方法はただ一つ!前のページ

借地権付き建物の意外な落とし穴!次のページ

ピックアップ記事

  1. 立地適正化計画をご存知ですか?
  2. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?
  3. 住宅購入は不安でいっぱい
  4. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  5. 危険な場所は 地形図で見分ける

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    令和(れいわ)元年以降の住宅購入の落とし穴?!

    早いもので平成最後の4月に入りました。昨日は新元号「令和(れいわ)」の…

  2. お金・ローン・税金

    住宅ローン控除(減税) 最大の勘違い

    エージェントの中田です。確定申告の時期になると、「4500…

  3. 不動産取引ガイド

    消し忘れに注意したい買戻特約

    お住まいの重要事項説明を受ける際に注意すべきチェックポイント解説、今回…

  4. 不動産取引ガイド

    仲介手数料無料ってどういう事??

    不動産業界のしくみは謎だらけだなと感じる事があります。不動産広…

  5. 不動産取引ガイド

    長寿化する人生で家は資産として活用する時代へ

    人生100年時代(長寿化)においては、人生は学び直しや働き方の転換を繰…

  6. 不動産取引ガイド

    中古を買ってフルリフォーム?!リフォーム前に把握しておきたい大切なこと!

    最近、新築資材の高騰の影響か、中古の家を買ってリフォームしたいという方…

  1. 不動産取引ガイド

    自宅に太陽光発電を取り入れるには!?
  2. 不動産取引ガイド

    検索するなら今ならインスタ?!
  3. 欠陥・トラブル

    大家さんから突然の賃貸契約更新拒絶通知!?退去が必要となる正当自由とは
  4. 不動産取引ガイド

    〇〇テックの活用で、不動産相場価格が把握できるようになってきました。
  5. 不動産取引ガイド

    住宅を購入するタイミングはいつ?
PAGE TOP