かし保険

「売主は誰だ!?」既存住宅売買瑕疵(かし)保険の種類と注意点 ≪付保証明書で住宅ローン控除等を使う方法≫

今回は、「既存住宅売買瑕疵保険の付保」による住宅ローン控除等利用について、掘下げてみたいと思います。既存住宅売買瑕疵保険には、色々な種類があります。色々あるからといって、皆さんが自由に選択できるわけではありません。また、保険付保証明書を取得することで住宅ローン控除等の適用対象にしようと期待していたにもかかわらず、手続き等を少し間違えると、それが使えなくなってしまうので注意が必要です。

保険種類ごとに注意点がございますので、数回の記事に分けてご説明していきたいと思います。

まず、既存住宅売買瑕疵保険を大きく分類すると「宅建業者用」と「個人間用」の二種類に分けることができます(TOP画像 赤・黄線の箇所参照)。

「〇〇用」が何を指しているかというと、その物件の“所有者が”宅建業者なのか、個人なのかによって、使う保険が変わるという意味です。所有者が宅建業者であれば、「個人間用」を選択することはできず、必ず「宅建業者用」を選択することになります。

ここで注意点の一つ目。

この二種類の保険で手続き上どのような違いがあるかというと、「個人間用」の方は、住宅ローン控除を利用したい買主が、主導権をもって能動的に手続きをすれば保険付保をすることができます(簡単にするためにかなりザックリとした書き方にしています)。

対して「宅建業者用」の方は、売主であるその宅建業者が瑕疵保険会社に事業者登録を行ない(年会費がかかります)、保険付保の手続きを進めていなかければいけません。年会費や手続きの手間を敬遠して、買主がいくら希望しても売主の業者側が応じてくれないケースがあります。しかも私の経験では、応じてくれないことの方が多いくらいです。

もし、購入の候補になっている物件が築20年(耐火構造の場合は25年)を超えている場合には、売買契約前に必ず、売主が宅建業者なのか、それ以外なのかの確認を行い、宅建業者の場合には、保険付保に協力してくれるかの確認をするようにしましょう。さらに注意点として、売主宅建業者が瑕疵保険についてあまり知識を持ち合わせていない場合、「瑕疵担保責任なら、いつも2年間つけてますよ」と答えてくることもあります。中古住宅売買で従来から契約条件の中に盛り込まれている「売主の瑕疵担保責任(2年)」と、瑕疵保険とは全く違うもので、瑕疵保険がついていなければ、冒頭の住宅ローン控除等は利用することができません。

リニュアル仲介でお住まい探しをなさっているお客様の場合には、リニュアル仲介本部のエージェントがこれらの注意点にも十分配慮し、きちんとローン控除等が利用できるようコーディネートしております。

以上、リニュアル仲介本部パイロット店 エージェント石川でした。

***************************************************

■不動産の資産価値を即座に判断

セルフインスペクションアプリ「SelFin」

https://self-in.com/ (ご利用は無料です)
■資産となる家を真剣に考えるセミナー

http://www.rchukai.com/#!seminar/c1vy0

***************************************************

 

奇抜な建築物は許される?許されない?~景観法~前のページ

知らない間にリボ払いになっているなんてこと…実際にあるんです。次のページ

ピックアップ記事

  1. 土地価格の相場を知る方法
  2. 立地適正化計画をご存知ですか?
  3. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  4. 住宅購入と 生涯の資金計画
  5. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    2020 年11月度の不動産相場

    公益財団法人東日本不動産流通機構(通称:東日本レインズ)から、2020…

  2. 不動産取引ガイド

    眠れる寝室をつくるためのポイント!

    ストレス社会の現代、睡眠はとても大事です。そこで眠れる寝室をつくる…

  3. 不動産取引ガイド

    驚きの地裁判決!相続税における路線価評価の否定とは?

    先日、東京地裁で驚きの判決がありました。それは「路線価による相続財…

  4. 不動産取引ガイド

    戸建ての修繕計画と修繕積立金について考える

    今回は、戸建住宅の長期修繕にかかる費用についての話です。マンシ…

  5. 不動産取引ガイド

    屋根裏部屋とロフトとの違い

    屋根裏部屋とロフトとの違いについて家族に質問されましたので調べてみまし…

  6. 不動産取引ガイド

    土地の価格の基礎知識

    よく分かりにくい土地の価格について今回は土地の価格にどのような種類…

  1. 不動産取引ガイド

    不動産の持分はどこへ?
  2. 不動産取引ガイド

    あなたの住む自治体での子供医療費は何年生まで補助される?!
  3. 不動産取引ガイド

    マンション名から時代を読み解く?!
  4. 不動産取引ガイド

    不動産の2022年問題、大都市部で宅地が大量発生する?!
  5. お金・ローン・税金

    住宅ローンを借りる際、借入可能金額を増やす方法があります。
PAGE TOP