不動産取引ガイド

素人DIYでやるべきではないことTOP3

インターネットで調べれば簡単に情報を得ることができるようになったので、趣味と実益を兼ねてDIYにチャレンジする方が増えています。
満足度100%のリフォームとは、自分のためだけの完全オーダーメードのリフォームとも言えるので、業者に頼むとお金がかかります。
また、実際に生活をする中で気が付くちょっとした不具合や不満も多く、全部を業者に任せようと思うとお金がいくらあっても足りません。
ちょっとした不具合程度であれば自分でなんとかできるDIYスキルを身に着けたいという欲求もありますね。
今回は一般的に行われるようになったDIYで、素人が手を出すべきではないものを3つご紹介いたします。

第3位 ウッドデッキ(ベランピング含む)

素人DIYでやるべきではないことTOP3の第3位はウッドデッキです。
ウッドデッキに憧れを抱く人は多いです。
厳密な接合が求められるわけではないので、素人施工でも何となく形になるのがDIYでチャレンジしたくなる要因だと思います。
ウッドデッキは定期的なメンテナンスが必要なかなり面倒な趣味です。
ウッドデッキは欲しいけどメンテナンスはめんどくさいという方は樹脂製のものを業者に頼んだ方が良いです。
ウッドデッキというくらいだから木を使いたいという方はウッドデッキ専門の業者に頼んだ方が良いです。
木材でウッドデッキを作る場合、耐久性の高い木材を選ぶ必要があります。
耐久性が高い木材とは固い木材なので、きちんとした道具が揃っていたとしても素人が扱うにはハードルが高いです。
材料費をけちってホームセンターレベルの安い(柔らかい)木材でウッドデッキを作ってしまうと、すぐに傷んでしまいます。
少なくとも毎年ペンキを塗りかえるくらいのメンテナンスは必要となります。

また、マンションなどでバルコニーに木材のパネルやすのこを引いて楽しむベランピングなども一時はやっていましたが、バルコニーの床に何かを敷き詰めるのはあまりお勧めではありません。
大体の場合、敷きっぱなしで放置されるからです。
狭くて適度に湿度が保たれた空間は害虫の温床になります。

庭に作ったウッドデッキもバルコニーの敷物も、毎年メンテナンスで綺麗に掃除するくらいの覚悟がなければ手を出さない方が良いです。

第2位 ニッチ

素人DIYでやるべきではないことTOP3の第2位はニッチです。
ニッチとは壁に窪みを設けて飾り棚として利用するスペースのことです。
施工が簡単なのでDIYでお勧めするサイトも多いです。

ニッチを設けるということは壁に穴を開けるということです。
壁は建物の強度を担う重要な箇所なので、ニッチのために壁に穴を開けるということは建物の強度を損なうことに繋がる恐れがあります。

もちろんすべての壁が構造上重要というわけではないので、問題ない壁であればニッチを設けても大丈夫なのですが、素人で重要な壁とそうでない壁を見分けることは困難です。

いざ売ろうと思った時に、ニッチのために勝手に壁に穴を開けたせいで、耐震診断や壁の張り替えなどが必要となる場合も考えられます。

ちなみに既存住宅売買瑕疵保険に加入する場合、新耐震の建物であっても、新築時から構造に影響するリフォームが行われた場合は建築士による耐震診断が必要と指摘されます。

そんなリスクを負っても利用できるのは飾り棚程度の役割しかないので、ニッチを設けるより棚を作った方が現実的と言えるでしょう。

第3位 壁面収納

素人DIYでやるべきではないことTOP3の第1位は壁面収納(構造部と接合しないもの)です。

専用の金具を使って柱を立てて壁面収納を作るというDIYが流行っています。
壁に穴を開けるわけではないので賃貸でもDIYできるというのが人気の理由です。
しかし素人施工による壁面収納はお勧めできません。
理由は大きな地震で倒れるからです。
この場合の後施工柱は天井とも床とも壁とも接合されていない、つっかえ棒のような状態です。
積載荷重に耐えられる構造だったとしても、大地震時の横揺れはまた別の問題です。
この壁面収納の怖いところは、紹介されているDIY事例が、テレビなど比較的重たいものを載せるものだからです。
インテリアとしてはオシャレに演出しやすいアイテムになりますが、むき出しで置いているものは、大地震時には飛来する凶器となります。
重たいものは高い場所へ置くべきではないですし、しっかりと固定しておくべきなのです。
梁に金物で接合するならわかりますが、天井は思った以上に弱いので、つっかえ棒のような状態で柱を立てても、地震時に天井を突き破って保持できなくなり、倒れてくる可能性が高いです。
専用の金具でビスも使わずに誰でも簡単に設置できるのが売り文句のようですが、ただでさえ住空間には大地震時に凶器となる得るものが多いのに、敢えてそのリスクを増やすのは得策ではありません。

以上、素人DIYでやるべきではないことを3つご紹介いたしました。
素人判断で良いものとプロの技術が必要なものの区別が大切というお話しでした。
今回挙げたものはいずれもそれがないと生活に支障が出るようなものではなく、どちらかというと趣味趣向の問題です。
そもそも必要か?ということを吟味して、どうしても欲しいのであればプロに頼むという判断が良いと思います。
また、何でもいいから作ることを楽しみたいんだ!という人は、簡単な家具製作やクロスなど部屋の雰囲気を変える方向で検討し直すのはいかがでしょうか。

マンション購入時にプロが見る注意すべきポイント(中古編)前のページ

公共下水道には、「分流式」と「合流式」の2種類の排水方式がある(豆知識偏)次のページ

ピックアップ記事

  1. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  2. 土地価格の相場を知る方法
  3. 住宅購入は不安でいっぱい
  4. 住宅購入と 生涯の資金計画
  5. 危険な場所は 地形図で見分ける

関連記事

  1. お金・ローン・税金

    住宅ローンの借り換えは検討していないのですか?

    私たちも驚くほどの低金利ですが、皆さんは借換えをご検討されたことはあり…

  2. 不動産取引ガイド

    防火地域の建物

    最近近所で火事がありましたがいまだ現場はそのままの状態で放置されていま…

  3. 不動産取引ガイド

    相続税、専業主婦の奥様は気をつけて!

    おはようございます。リニュアル仲介の渡辺です。今回は相続税につ…

  4. 不動産取引ガイド

    戸建て住宅を検討されている方必見、外壁塗装診断で利用されるABCチェックについて

    戸建て住宅を購入する前・購入後に住宅のメンテナンスは必須です。■外…

  5. 不動産取引ガイド

    コロナ禍が住宅業界に与えた変化。

    コロナ禍が住宅業界に与えた目に見える大きな変化として、「IT技術の導入…

  6. 不動産取引ガイド

    ハザードマップを確認していますか!?

    常総市で大雨による堤防決壊のニュースが連日のように報道されています。…

  1. 不動産取引ガイド

    物件提案ロボをより便利にご利用いただく方法
  2. お金・ローン・税金

    2023年5月 フラット35金利のご案内
  3. 不動産取引ガイド

    温暖化ガス削減にも貢献?!ZEH(ゼッチ)マンションとは?!
  4. 不動産取引ガイド

    住まいの「広さ」と「理想の家具・荷物の量」
  5. 不動産取引ガイド

    省エネルギー住宅とは
PAGE TOP