不動産取引ガイド

亥年は大地震が起きやすい?!事前の備えを万全に!

先月、日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(略称:木耐協)の全国大会に参加してきました。

その際、『亥年は大地震や大災害が多い』という話が出ていました。

ちなみに日本で過去に起きたM7.6以上の大地震が発生した年の干支を調べた方がいまして、参考にさせていただきますと下記の通りとなるようです。

◆本当に『亥年』は大地震が発生しているのか?!

子(2回)、丑(3回)、寅(4回)、卯(5回)、辰(4回)、巳(2回)、午(3回)、未(3回)、申(4回)、酉(2回)、戌(1回)、亥(6回)です。

なんと亥年は6回もM7.6以上の地震が発生している事が判ります。恐るべし『亥年』といえるようです。

(参考)【災害】丁酉(ひのととり)の年には大地震・火山噴火など天災・大災害が起きやすい?(2017/01/01 百瀬直也さん)

https://www.tankyu3.com/entry/2017/01/01/211339

◆亥年に開催された木耐協全国の講演から学んだこと

また、木耐協全国大会で講演されていました、東京都市大学の大橋教授のお話の中で、忘れてはいけない教訓を下記にまとめさせていただきます。少しマニアックなお話ではありますが、事前の備えとしてご覧ください。

〇熊本地震では木造住宅の被害が大きく取り上げられたが、鉄筋コンクリート造などの被害も多かった。

〇熊本地震では大臣認定を取得をしていたプレハブ住宅も倒壊していた。今までは目だった被害は少なかったようですが。

〇熊本地震より、耐力に問題がある筋交いで、建築基準法の壁量を満足しているだけでは、大地震に対しては耐力が不足する

〇兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)では建築基準法の想定している1.5~2倍の揺れが発生していたい。

※建築基準法の『大地震』とは建物が立っている期間中に一度あるかないかの稀な地震(その大きさは概ね300~400gal(ガル)程度の地動)

〇兵庫県南部地震以降、実物大振動台実験を行うシーンが増え、木造住宅の『雑壁』の量を確保すると、安全が高まる事が分かった。

※雑壁とは内壁下地石膏ボード、サイディング、垂れ壁、腰壁など

〇2000年の法律改正により、品確法の制定、「許容応力度計算」の改訂を経て、現代の木造住宅の性能は格段に向上したそうです。

※品確法とは「住宅の品質確保の促進等に関する法律」の略称

〇木造住宅を地震から守るには5つポイントがある

1.十分な壁量とねじれない壁配置になっている

2.はずれない接合部になっている

3.地盤に相応しい基礎になっている

4.適切な維持管理が行われている

5.構造性能を落とさない増改築になっている

〇兵庫県南部地震の翌年である1996年に「震度」は「計測震度」に変更された。

※この変更時に「震度」のレベルが変わり、兵庫県南部地震の震度7と、熊本地震の震度7では大きさが違っている。

〇建築基準法ギリギリで作った建物は震度6強の地震動で倒壊する事が確認されているようです。(2004年 JMA神戸波にて)

〇壁量設計で実現できる耐力は、構造計算で必要な耐力の3/4以下しかない。

〇木造の研究者で、自分の家を建築基準法ギリギリで建てている人はいない。

いずれにせよ、亥年は災害の多い年であり、大地震の発生も危惧されています。

そのような年に、少しマニアックなお話ではありますが、事前の備えとして、東京都市大学の大橋教授の教訓を忘れないようにしたいと思います。

(個人的には『亥年』に大地震が発生しない事を祈ります!)

法人営業部 犬木 裕

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