不動産取引ガイド

敷地が細かく分かれているマンションのメリットとデメリット

一般的な物件情報サイトを見ている際にはわかりませんが、契約直前の重要事項説明の際に、思わぬ情報が開示されることがあります。

その一つが、不動産の登記に関する部分です。

いくつかの土地にまたがって建てられたマンション

実際に居住している場合には何も気になりませんが、実は土地がいくつかの筆(ふで)に分かれているマンションというものもあります。

「一部が借地で、一部が所有権になっている」といったように権利の種類が分かれているものもあります。

また、「一部は道路提供部分になっており、その他公園の部分もあり、その他が宅地」のように土地の種類が異なる場合もあります。

このように、土地の権利や種類が異なる場合には、土地自体が区分けされており、いくつかの土地にまたがってマンションが建っている、というケースもあります。

こうして土地が区分されていることで、固定資産税がかかる土地とかからない土地が明確に分けられており、税務上の不利益がないように整備されているとも考えられます。

一方で、土地の権利の区分も種類も同じなのに、ただ土地が分かれているというケースもあります。

このようなケースでは、土地をまとめることができない何か事情があったか、分譲会社が開発時に土地をまとめる手続と費用を省いた、ということも考えられます。

土地がいくつかに分かれてしまっている場合、登記簿の住所変更や銀行の抵当権を抹消する際に、余計な費用がかかってしまうといったデメリットもあります。

また、自宅の登記簿を取得する際に、いくつも登記簿謄本を請求しなければならないケースもあります。

大きなデメリットとまではいきませんが、土地がまとまっていないことにストレスを感じるシーンも出てくるかもしれません。

私道やごみ置き場の持分

マンションと同様、戸建の場合に注意したいのが、私道やごみ置き場などの持分です。

この場合も、自宅土地と建物以外にも、登記簿が存在することになりますので、名義書換等の際に手間がかかるので注意が必要です。

また、このような土地持分については、固定資産税が非課税になっている場合があります。

そのため、毎年の固定資産税納税通知書にも記載がなく、自分の所有地であるという認識が薄れてしまうこともあるようです。

手続きをする際には、漏れがないように注意しましょう。

お住まい購入の際に、あまり細かい点までもご自身で調べ尽くす必要はありません。

気になるポイントが発生した際に的確な回答がもらえるような、信頼のおけるエージェントと一緒にお住まい探しを進めましょう。

コロナ禍が住宅業界に与えた変化。前のページ

ハイサイドライトとトップライトとの違い?次のページ

ピックアップ記事

  1. 立地適正化計画をご存知ですか?
  2. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?
  3. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  4. 住宅購入は不安でいっぱい
  5. 土地価格の相場を知る方法

関連記事

  1. マンション

    定期借地権マンションの資産価値は?

    物件探しをしていたら、この立地でこの価格?「うん?」と思わず見直してし…

  2. 不動産取引ガイド

    予想以上の反応で、私達もびっくりしました

    リニュアル仲介本部エージェントの中田です。先日、「緊急事態宣言」を…

  3. 不動産取引ガイド

    海外赴任者 帰任に備えた日本の家探し 8 【事前準備~売買契約締結 編 6/9】

    前回に引き続き「STEP 4 『商談開始(=買付申込)から売買契約締結…

  4. 不動産取引ガイド

    海外と日本の住宅の違い

    住宅地を歩いているとために目を引く家がある時があります。海外を…

  5. 不動産取引ガイド

    中古住宅購入時のリフォーム会社には条件があります

    年度末が近づくにつれ、耐震基準適合証明書の問い合わせが増えてきました。…

  1. 不動産取引ガイド

    自宅の建替えと法規!?
  2. 不動産取引ガイド

    上下階の遮音性能は、床の厚さと構造からおよその判断が出来る
  3. 不動産取引ガイド

    昨今の首都圏マンション高騰状況について、今後はどう考えるべきか
  4. 不動産取引ガイド

    お住まい購入に必要な「老後に備えた住替え」という視点
  5. 不動産取引ガイド

    分譲マンションの共有部分とよく耳にしますが、どこを指しているのでしょうか…
PAGE TOP