不動産取引ガイド

「不動産価格が上がってしまった!」それ以上に注意が必要なこと?!

■不動産価格が上昇、様々な値上げリスクに備える?!

現在、不動産価格の上昇、生活インフラの値上げラッシュにより、生活が苦しくなったと感じる方も増えていると思います。また、新型コロナウイルスの影響により、不動産と向き合う時間ができ、「今年こそは住宅購入を」と考えられている方もいらっしゃると思います。
そこで、本日は不動産購入の際に、盲点となる注意点について解説をしたいと思います。
現在、様々な値上げラッシュが続いていますが、不動産購入後の生活インフラ費用は今後も上がり続けるという事を頭の片隅に置いておいていただきたいと思います。

■水道料金の値上げは今後も続きます!

全国で上水道などインフラの老朽化が問題になり、更新する為に莫大な費用が掛かっています。勿論、その費用はそこに住む住人が支払わなければなりませんので、水道料金の値上げや周辺の街との事業統合によって費用を絞り出し交換を進めているのが現状です。2009年度から19年度にかけ、総延長距離のうち設置から40年を超す老朽管の比率が下がった地域は、データを比べられる全国1367のうち141と10%という結果です。

上水道は主に市町村が事業主体となり運営していますが、公益社団法人 日本水道協会( http://www.jwwa.or.jp/ )の水道統計をもとに老朽管の比率の増減を比べてみると、国内の老朽管は約13万9000キロメートル分あり全体の19.1%を占めます。2009年度の7.1%から跳ね上がっている計算となります。

上水道は市町村の他の事業とは独立した採算で、料金収入で費用を原則まかないます。これから不動産購入をされるエリアの水道料金がどれくらいかは、下記「生活ガイド.com」サイトによりご確認いただければ幸いです。

https://www.seikatsu-guide.com/ (生活ガイド.comサイト)

財源が厳しい中で老朽管の取り換え費用を得るには、まずは値上げが選択肢となり、福岡県行橋市は2005年に平均で13%引き上げ、深谷氏は2017年に15%引き上げ、高知市は2002年に8%値上げをされたようです。

■不動産購入後の「備え」も重要となります!

今後も市区町村による値上げラッシュは続くものと考えます。その為、不動産購入後に、この値上げ相当分の余裕を見越しての動きは非常に重要となります。

今後、人口が減り続けると多くの地域が値上げに踏み切らざるをえません。また、周辺と料金格差が広がれば、住民や企業がさらに流出する悪循環に陥る可能性があると考えられています。

現在、テレワークが進み、地方への移住も増えています。その移住先では、人口減少により、生活インフラの費用の値上げは都心部よりも大きくなる傾向は否めません。そのような状態になっても、日々の生活が上手くいくように不動産購入時には今後のライフプランも含めて、余裕を持った計画をご検討下さい。

今後の参考にお役立ていただければ幸いです。

法人営業部 犬木 裕

はしご車は何階まで届くか?前のページ

2022年6月度の不動産相場次のページ

ピックアップ記事

  1. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  2. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?
  3. 住宅購入と 生涯の資金計画
  4. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  5. 立地適正化計画をご存知ですか?

関連記事

  1. お金・ローン・税金

    今年住宅を購入した方!年末調整時の住宅ローン控除手続き(ビギナー編)

    今年住宅を購入された方の内、住宅ローン控除を受けられる対象の方は、次回…

  2. 不動産取引ガイド

    建設工事の式典(上棟式)

    前回に引き続き今回は上棟式です。上棟式にについて地鎮祭…

  3. 不動産取引ガイド

    【住宅ローン減税8】築後年数要件戸建て編~木造・旧耐震~

    戸建編の続きです。今回は旧耐震の木造住宅を購入する際の判断基準や手…

  4. お金・ローン・税金

    『ローンの返済を具体的に比較検討、シミュレーションするならこれ!』

    物検討物件もある程度絞られてきた・・・、実際にこの物件を購入するかしな…

  5. 不動産取引ガイド

    <コロナ禍の不動産購入> コロナ禍で注目される?!神奈川県への移住が増えている?!

    ■新型コロナで『テレワーク』中心の生活に切り替わろうとしている?!…

  6. 不動産取引ガイド

    雹の被害は春も注意が必要!!

    春は、晴れると気温も上がり、最高気温が25度を超えることもあります。た…

  1. 不動産取引ガイド

    雹の被害は春も注意が必要!!
  2. 不動産取引ガイド

    マイホーム売却時に活用できる控除とは?
  3. 不動産取引ガイド

    家づくり用語編(間取り)
  4. 不動産取引ガイド

    あなたの家、キャパオーバーですよ!
  5. 不動産取引ガイド

    家を買うタイミングはいつ?
PAGE TOP