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2026年の住宅ローン控除の拡充と子育て支援策について解説します!

2026年度の税制改正大綱が決定し、住宅ローン控除の拡充を中心に、子育て世帯や中低所得層への支援を強化する内容となりました。
特に中古住宅の取得を後押しする改正が盛り込まれ、住宅市場に大きな影響を与えそうです。
これから中古住宅を購入予定の方は、ぜひ、ご確認いただければ幸いです。

■住宅ローン控除の概要について

住宅ローン控除は、住宅を購入した際に年末時点の住宅ローン残高の0.7%を所得税や住民税から一定期間差し引ける制度である。
住宅の性能や家族構成によって借入限度額が異なる仕組です。
現行制度では、新築の高性能認定長期優良住宅の場合、借入限度額は4500万円となっています。
19歳未満の子を持つ子育て世帯や夫婦のいずれかが40歳未満の若者世帯には特別な優遇があり、限度額は5000万円まで引き上げられます。
控除が適用される期間は13年間となっていします。
一方、中古住宅は新築と比べて条件が厳しく、現行制度では高性能の認定長期優良住宅でも借入限度額は3000万円で、適用期間は10年間にとどまっています。
さらに床面積の要件も異なり、新築では合計所得金額が1000万円以下なら40平方メートル以上の物件が対象となるのに対し、中古は50平方メートル以上の物件のみが対象とされています。
今回の改正で、2025年末だった適用期限が5年延長され、2030年末まで延びることとなりました。

■2026年は中古住宅への支援拡充が目玉になっている!

今回の税制改正大綱の最大の特徴は、中古住宅取得への支援策が大幅に拡充されたことです。
改正後は中古住宅でも借入限度額が高性能の認定長期優良住宅で3500万円に引き上げられ、適用期間も新築物件と同じ13年間に延長されます。
これまで中古住宅には設けられていなかった子育て世帯や若者世帯への優遇策も新設される予定です。
認定長期優良住宅などでは、これらの世帯の借入限度額がさらに1000万円増額され、4500万円となります。
床面積要件も緩和されます。
中古住宅でも合計所得金額が1000万円以下であれば、床面積40平方メートル以上で控除の適用を受けられるようになります。
ただし、子育て世帯などが控除の適用を受ける場合、40平方メートル以上50平方メートル未満の特例と、子育て世帯などの借入限度額上乗せの特例のいずれかを選択する必要がある点には注意が必要です。

■そもそも中古住宅市場に恩恵が受けらえるようになるのか?

近年、新築住宅の価格高騰が続いており、価格が割安になりがちな中古住宅の需要が拡大しています。
今後は子供のいない夫婦や単身世帯などを中心に、50平方メートル未満の比較的面積が小さな中古物件を購入する動きが増えると予想されています。
省エネ性能の高い中古住宅が新築に近い税優遇を受けられるようになることで、中古住宅市場がさらに活性化する可能性が

■具体的な減税効果と改正案に反対の声

実際の減税効果はどの程度になるのかは、45平方メートルの中古物件で、借入限度額範囲内の3000万円を35年元利均等、金利1%で2026年12月に借り入れ、翌月から返済を開始するケースの試算では、13年間の税額控除の合計額は約230万円となりました。
この改正により、住宅ローン控除を人生で複数回受ける人が増える可能性も指摘されています。
同時に2軒分の住宅ローン控除は受けられないが、例えば20代後半の独身時に初の持ち家として40平方メートル以上50平方メートル未満の中古物件を購入し、その後家族が増えたタイミングでより大きな住宅を購入するといったケースが考えられます。
一方で、改正案に対する不満の声もある。東京都心で中古マンションを探している43歳の独身男性会社員は、40平方メートル以上50平方メートル未満の物件に対する所得要件を2000万円以下にしてほしかったと話す。
都心部では繁華街や最寄り駅に近い立地を重視すると、中古マンションでも1億円を超えることが珍しくない。
合計所得金額が1000万円を少し上回る場合、40平方メートル以上50平方メートル未満の物件では住宅ローン控除を受けられないため、購入をためらうケースもあります。
改正案は法案が国会を経て成立した後、2026年1月の入居分から適用されます。
適用期限は2026年から2030年末までに入居した場合で、既に入居済みの物件に遡って控除の適用を受けることはできない点に注意が必要です。

■その他の子育て支援策について

今回の大綱では、住宅ローン控除以外でも子育て世帯への配慮が目立つ。資産形成に使う少額投資非課税制度(NISA)も使い勝手が向上する。
2027年につみたて投資枠の年齢制限が撤廃され、18歳未満でも利用可能になる。
0歳から17歳までの投資額の上限は年間60万円、総額600万円となる。
資金に余裕がある場合、子供向けの資産形成として預金ではなくNISAの活用も選択肢の一つとなりそうです。
全体として、今回の税制改正は超富裕層への課税強化の動きがある一方で、子育て世帯や中低所得層に手厚い内容となっており、特に中古住宅市場の活性化が期待される内容となっています。
今後の参考にお役立てください。

法人営業部 犬木 裕

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