不動産取引ガイド

隣地との関係にご注意を…!相隣関係の規定について。

民法の相隣関係の規定は、近隣同士の権利調整などのため、土地や建物の所有者に権利や義務などを定めた規定です。
ただし、民法は私法で私人間を調整する法律のため、建築基準法とは異なり、強制力はありません。したがって、実際には裁判所の確定判決が必要となる事も多いそうです。しかし、近隣と交渉する際には、非常に有益な知識となるので理解しておいた方が良いと思います。

隣地使用権は、工事などのため、隣地所有権者に隣地の使用を請求できる権利です。家の新築や増改築で、どうしても隣地を使用しなければ工事ができない場合、その土地の使用を請求できることになっています。この場合、工事用の足場を組むことも含まれます。

囲繞地通行権も、他人の土地に囲まれた袋地の所有者が、囲んでいる隣地を通行できる権利です。ただし、隣地所有者にとって不利益となるので、通行の場所や方法は必要最小限にしなければなりません。

土地所有者は雨水など自然に流れてくる水を妨害してはならず、高地所有者は必要な排水を低地に流すことが出来ます。同様に、他に方法がなければ、水道管、ガス管、電線、電話線などを隣地に配管、配線できると考えられています。なお、屋上から直接雨水が隣地に流れ込むことは禁じられています。

敷地の境界には、隣家と共同費用で塀などを設置できます。そして、建物を建てる際には、建物を境界線から50cm以上離す義務があります。ただし、その地域で行われていなければ、その必要はありません。
また、他の敷地が見渡せる窓や縁側を境界線から1m未満の距離に設けるときは、目隠しが必要となります。さらに、隣地の植栽の枝や根が越境して支障がある場合は、枝を切り取るよう請求でき、根は自分で切り取ることが可能となっております。

日照権については、明文化された法律がないが、その被害に対して損害賠償や建築の差し止め請求ができます。ただし、社会生活上がまんすべき限度を超えたと裁判所が判断した場合に限られているようです。なお、この日照権については、建築基準法の日影規制と直接な関係ありません。

しっかりと規定も確認して、隣地と揉めることのないようにしたいものです。
リニュアル仲介、前田でした。

***************************************************

■不動産の資産価値を即座に判断

セルフインスペクションアプリ「SelFin」

https://self-in.com/ (ご利用は無料です)

**************************************************

いろいろな形の屋根前のページ

スマートロックというものをご存知ですか?次のページ

ピックアップ記事

  1. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  2. 危険な場所は 地形図で見分ける
  3. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  4. 住宅購入は不安でいっぱい
  5. 土地価格の相場を知る方法

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    眠れる寝室をつくるためのポイント!

    ストレス社会の現代、睡眠はとても大事です。そこで眠れる寝室をつくる…

  2. 不動産取引ガイド

    民法改正 ~売主の負う契約不適合責任とは~

    令和2年4月1日より改正民法が施行されました。明治時代に作られた法…

  3. 不動産取引ガイド

    中古住宅か新築住宅か?賢明な不動産購入のための総合ガイド

    ■住宅購入における重要な選択不動産業界では、「中古住宅と新築住宅、…

  4. 不動産取引ガイド

    贈与でも課税!? 知らないと損する不動産取得税の落とし穴

    家を購入するという大きなライフイベント。新しい家での生活を思い描き、期…

  5. 不動産取引ガイド

    相続が変わる。不動産は「所有」と「居住」へ

    先日、日常生活や相続と大きな関係がある「民法」が改正され、相続法の分野…

  6. 不動産取引ガイド

    新しい太陽電池

    太陽光のエネルギーを直接電気に変換して利用する太陽電池。いまでは一…

  1. お金・ローン・税金

    住宅ローン控除と残高証明書①
  2. 不動産取引ガイド

    不動産購入後はリタイア後の「お金」について考える?
  3. お金・ローン・税金

    補助金・減税・優遇制度が あるのをご存知ですか。
  4. 不動産取引ガイド

    人生100年の住宅購入術 戸建て住宅の修繕費はどれくらい掛かるのか?!
  5. 不動産取引ガイド

    【住宅ローン減税2】住宅ローン減税が使えない!
PAGE TOP