不動産取引ガイド

小規模宅地等の特例制度をご存知ですか?!(二世帯住宅は節税につながる)

突然ではありますが、表題の小規模宅地等の特例制度をご存知でしょうか?

現在、マイホームを持つことで大幅な節税対策が図れる事を把握されている方も多いのではないでしょうか?!なかでも住宅ローン減税は良く知られていますが、実は二世帯住宅の場合は特例によって節税につながることもあるようです。今回はそのポイントについて記述したいと思います。

そもそも小規模宅地等の特例とは、被相続人が住んでいた土地や事業をしていた土地について、一定の要件を満たす場合には、80%又は50%まで評価額を減額してあげますよという特例です。例えば、被相続人の自宅の敷地の相続税評価額が1億円だったとします。この土地につき小規模宅地等の特例を適用すると2,000万円の評価で相続税を計算することが出来るのです。

被相続人が住んでいた土地や事業をしていた土地は、相続人の生活基盤となる非常に重要な財産であり、このような財産にフルで相続税をかけてしまうと相続後の相続人の生活を脅かす可能性もあるため、このような大幅に評価額を減額できる特例措置が設けられているわけです。

さらに、家の造りに対する要件が現在は緩和されているのも大きいようです。

以前は、その土地に建つ建物の1階が親で2階が子、そして玄関が別の二世帯住宅は家の中が行き来できないので別の建物とみなされ、特例の適用が認められませんでしたが、2014年以降は、家の中で行き来できなくても一つの建物としてみなされるようになり、特例がうけられるようになりました。ただし、1階が親名義、2階が子名義の区分登記だと、別の建物としてみなされてしまいますので注意が必要です。

また、小規模宅地等の特例を受ける際にはいくつか注意点があります。

特例を受けるには対象となる自宅や土地が相続税の申告期限(被相続人の死亡から10カ月以内)までに、法定相続人全員が遺産分割について合意している必要があります。もし親の死後に相続でもめて時間がかかると、特例を受けられないこともございます。そのため、生前に遺言書もしくは遺産分割協議書を作っておくことがおススメのようです。

また、実際にそこに同居していたという事実は必須であり、特例を受けられるのは“その土地に建つ家に、亡くなった親と同居していた子”に限定されます。

この同居というのは、ただ住民票がそこにあるだけでは認められません。たとえば、二世帯住宅にしたもののライフスタイルの変化で引越しをしたとします。そうすると、相続時に税務署は『一緒に住んでいない』と判断し、特例は受けられません。具体的には、その家から学校や会社へ行っている、光熱費の明細がその家に届いているなど、その家で生活してきた実態が求められますので、この点でも注意が必要です。

小規模宅地等の特例は相続税の負担を減らす効果があるものの、その適用条件や範囲は細かく内容も複雑です。

これから共働きで親と一緒に生活し、子供の面倒や家事を分担したりする家族が増えてくと言われます。また、高齢化の問題で親の老後の生活を考えている方も居るようです。いずれにせよ、二世帯住宅を建て、一緒に住む事で生活費を抑えた生活も可能になる為、今回の小規模宅地等の特例制度も知っているのと知らないのでは大きな違いにつながりそうです。

ぜひ、今後の参考にお役立てください。

法人営業部 犬木 裕

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