不動産取引ガイド

平成30年度の路線価図等が公開されました!

昨日、平成平成30年度の路線価図等が公開されました。今朝の新聞紙面には地域ごとに路線価の上り下がりの話題が出ていたのではないでしょうか?!

一般的に、1つの土地には異なる4つの価格が定められています。その4つの価格とは、実勢価格(売買取引時価)、公示地価(公示価格)、固定資産税評価額、そして相続税評価額(路線価)というものです。

各地方の税務署には、その国税局管内の路線価が記載された「路線価図」が置いてありますので、閲覧を申請すれば無料で見る事ができます。また、国税庁のホームページから全国の「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」を見る事もできます。

http://www.rosenka.nta.go.jp/index.htm

不動産をお持ちの方はぜひ、この機会に路線価図等をご覧ください。

■相続税路線価とは、そもそも何でしょうか?!

相続税路線価は、相続税や贈与税を算定するための基準となる、主要な市街地の道路(路線)の価格をいいます。毎年1月1日時点の評価を基に公示価格の70~80%を目標に決定され、国税庁が公表しています。相続対象となる土地の評価額は、その土地が接する道路の路線価に土地の面積を掛けて算出します。この最終的な土地の評価額が相続税の課税対象となります。

ちなみに、この路線価は接する土地に対して一律に適用されますので、形が複雑である、奥まっているなどのその土地の個性は反映されていません。そうした土地の状況による補正(加算・減算)は、土地の面積を掛ける際に行われます。

路線価で注意すべき点は

既述の通り、相続路線価は取引時価の70~80%を目標に決定されます。ですから、現金よりも相続税が安くなるのでは?と思われるかもしれません。

現金の場合、3000万円の相続評価額はやはり3000万円です。しかし、取引時価が3000万円の土地の場合、相続財産としての評価額は、通常、2100万~2400万円ほどになりますので相続税も安くなります。

しかし、重ねて既述の通り、路線価はその時の取引時価などをもとに、1月1日を評価時点として毎年更新されます。

仮に、土地開発や地域振興などによって土地の価値が急騰し、その時を基準に路線価が決定された後、時価がまた下がったとしましょう。

このような場合には、同額の現金より相続税が高くなることもあり得るのです。

■路線価が設定されていない場合について

路線価は主要な市街地の道路に設定されているもので、全国にある全ての道路に価格が定められているわけではありません。路線価がない土地も存在します。

では、路線価がない土地を評価するにはどうすればよいのか。

その場合、固定資産税評価額で土地を評価します。しかし、固定資産評価額はおおむね取引時価の60~70%と、路線価よりも低くなっています。

これでは、路線価で評価をする土地の価格と不公平が生じてしまいますので、そのまま計算することはできません。

そこで、相続税や贈与税の算出の際には、定められた倍率を掛けて評価します。

この固定資産税評価額を何倍かにする方式を、路線価を元にする「路線価方式」に対して「倍率方式」といいます。倍率は、路線価と同様に各税務署や国税庁サイトの「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」で閲覧することができます。

http://www.rosenka.nta.go.jp/main_h30/kanto/saitama/pref_frm.htm

 

具体的な計算方法

路線価、もしくは固定資産税評価額と評価倍率が確認できたら、実際に計算をして土地の評価額を出します。

路線価方式

(路線価±{土地の状況による加算もしくは減算})×土地の面積=評価額

ここで注意が必要なのは、2つ以上の路線に接している土地の計算方法です。

まず、各路線価に奥行価格補正率を掛けた金額が高い路線を「正面路線」と定めます。

そして、その他の路線を側方路線(または二方(裏面)路線)とし、側面路線影響加算率(または二方路線影響加算率)を掛けて側面路線影響加算額(または二方路線影響加算額)を算出します。

それから、正面路線価、側面路線影響加算額(または二方路線影響加算額)を加えて、最終的な路線価(1平方メートルあたりの価格)を算出します。

倍率方式

固定資産税評価額×評価倍率=評価額

※倍率方式の場合、土地の状況による補正(加算もしくは減算)をする必要はありません。

いずれにせよ、判断に迷われる場合は専門家に相談される事をおススメ致します。

今後の参考にお役立て下さい。

法人営業部 犬木 裕

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