欠陥・トラブル

お子様が小さいうちこそ、遺言書を書くべき理由

相続が発生してしまった場合に、残された相続人にとって非常にありがたいことのひとつが「遺言書」の存在です。

特に不動産をお持ちの方は、遺言書を残されておくと、万一の場合にもご家族の方の負担を減らすことができます。

特に、お子様が小さい、又は未成年の場合には、この遺言書の有無が非常に大きな意味を持ってきます。

たとえば、不動産はご主人の名義、家族構成は妻と未成年の子供とします。

上記のケースで、突然の事故や病気などでご主人が亡くなってしまった場合を想定します。

現金や株券などと同じように、不動産にも相続手続きが必要になります。

民法には「法定相続分」というものが定められており、これによれば、不動産の50%を配偶者(今回は妻)が、残りの50%を未成年の子供が取得することになります。

この割合を変更する(例えば、配偶者が100%持つ)ためには、「遺産分割協議」をしなければなりません。

ところが、子供が未成年の場合には、遺産分割協議を行う能力が認められないため、裁判所で「特別代理人」という人を選任しなければ手続きを進めることができないのです。

ご主人が亡くなってしまった場合などは、祖父母の助力を得るために実家の近くに引越しを検討される方もいらっしゃいます。

不動産については、売却や賃貸を視野に動かれるかと思います。

ですが、この不動産の名義に未成年のお子様が入っていると、売却や賃貸の契約が複雑になる、というトラブルが生じます。

手続き的には何とかして配偶者の単独名義にしたいと考えるのが一般的です。

こういったケースで、例えばご主人が「すべての財産は妻へ」という遺言を残しておけば、それだけで不動産の共有化を避けることができ、裁判所への面倒な手続きも不要とすることができるのです。

また、お子様がいない場合にも、こういった遺言は非常に有効です。

お子様がいないケースでは、遺言書がなければ、不動産の名義が妻と義理の父母(又は義理の兄弟)となってしまい、残された奥様に負担をかけることになってしまいます。

不動産を購入するということは、資産を持つということになります。

資産をお持ちになった場合には、その資産の多寡に関わらず、遺産を引き継ぐご家族のことについて思いを巡らせてみるのも良いかもしれません。

台風災害への備え!前のページ

家庭内LANの話次のページ

ピックアップ記事

  1. 危険な場所は 地形図で見分ける
  2. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?
  3. 住宅購入は不安でいっぱい
  4. 住宅購入と 生涯の資金計画
  5. 買ってはいけない物件を自分でチェック

関連記事

  1. マンション

    航空写真を使って土地の利用履歴を見る

    昔この場所は何に利用されていた土地なのか?40~50年前を航空写真…

  2. 不動産取引ガイド

    公簿売買と実測売買の違い

    土地の売買における売買対象面積は、売買代金を決定する上で、重要な意味を…

  3. 不動産取引ガイド

    「市街化調整区域」を聞いたことがありますか?

    物件を探す際に見かける「市街化区域」と「市街化調整区域」と言う言葉を見…

  4. 欠陥・トラブル

    住まいを購入したら考える「配偶者居住権」という制度

    令和2年の民法改正により創設された制度の一つが「配偶者居住権」というも…

  5. マンション

    入居者・購入者に負担転嫁?!管理組合向けのマンション保険料の引き上げが続いています。

    損害保険各社はマンション管理組合が共用部分の損害に備えて加入する保険の…

  6. かし保険

    築浅物件ならではの注意点≪中古住宅の保証 その④≫

    本日は、中古住宅の保証シリーズ第四弾です。中古住宅の取引の場合、売主の…

  1. 不動産取引ガイド

    リフォーム会社に建設業許可はいるの?
  2. 不動産取引ガイド

    スマートキー使ってみませんか?
  3. 不動産取引ガイド

    炭素繊維を使って建物の耐震補強
  4. 不動産取引ガイド

    『リノベーション EXPO JAPAN』
  5. 不動産取引ガイド

    11年経っての教訓
PAGE TOP