不動産取引ガイド

これからの家づくりは「職住融合」も視野に入れて!

〇最近、職住融合という考え方が広がりつつあります。

世間では新型コロナウイルスの影響から、職住融合という考え方が広がろうとしています。それも日本において、一気にテレワーク中心の仕事環境に変わり、その状況を考慮しての職住融合という考え方が定着していくかもしれません。

これまでは家づくりをする際には、区切られた書斎という形式より、踊り場などにカウンターを設けて、ちょっとしたワークスペースを確保するという事が一般的でした。しかし、テレワークを行うには個室もしくは仕切りでゾーニング出来ることが求められます。

マンションの共用施設に関しても、今までのようなゲストルームやキッズルーム、スポーツジムなどに加え、コワーキングスペースを確保するような流れも急速に進んでいるようです。

〇『職住融合元年』と言われる時代も到来する?!

職住融合を意識してか、最近の間取りの中に、例えばウォーク・イン・クローゼットや納戸スペースにワークスペースを設ける物件も出てきています。戦後、高度経済成長期の中で一般的となった、リビングのテレビ前に家族みんなが集まるといったシーンは少なくなっていくかもしれません。

考えてみたら、いまや多くの方はスマートフォンやタブレット端末で情報を仕入れ、テレビを見ないといった方も増えているようです。テレワークなど、働き方のスタイルも多様化し、職住融合がスタンダードになるかもしれません。また将来、新型コロナウイルスの影響により、家づくりの考え方そのものが変わったと思い返す事もあり得ます。テレワーク化が進み、『間取り変化元年』もしくは『職住融合元年』と言われることもありえるのではないかと感じます。

〇『職住融合』の家づくりに欠かせない考え方

個人的な意見として、「職住融合」の家づくりには防災面も欠かせない要素だと思います。

2020年4月には、水害可能性の有無で火災保険料を変動させる動きも出てきました。今でこそ水害可能性のあるところとないところで資産価値に差はついていませんが、火災保険以外にも金融機関の担保評価など、徐々にそういう機運は高まると考えます。

現在の不動産売買に関する宅建業法では売買する時に防災面の説明は努力義務とされていますが、正直、ほとんど説明されていないのが実情ではないかと思います。その為、これから不動産購入をされる方は自己責任で、その知識を持っておくことが重要です。

それもインターネットで公開されている「国土地理院地図」で自然地形地図を確かめることをお勧めします。調べたい場所をクリックすると、土地の成り立ちや自然災害のリスクの特徴がわかります。水害ハザードマップ照らし合わせるとリスクがわかりやすいと思います。

https://www.gsi.go.jp/tizu-kutyu.html

いずれにせよ、「職住融合」の考え方により家づくりの考え方も変わることも予想されます。

今後の参考にお役立ていただければ幸いです。

法人営業部 犬木 裕

ウィンドートリートメントの種類前のページ

ニュー・ノーマル時代の不動産業とは?次のページ

ピックアップ記事

  1. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  2. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  3. 危険な場所は 地形図で見分ける
  4. 土地価格の相場を知る方法
  5. 立地適正化計画をご存知ですか?

関連記事

  1. お金・ローン・税金

    40歳未満の住宅購入に際して、最大50万円の補助金?!

    8月21日の日本経済新聞朝刊に表題の記事が出ていました。htt…

  2. 不動産取引ガイド

    5Gの実用化でできること

    5Gとは「第5世代の携帯電波に関する技術方式」のことです。ちなみに…

  3. 不動産取引ガイド

    2024年1月から適用される?!「マンション節税」について

    相続税を低く抑える「マンション節税」を封じるため、税の算定ルールが変わ…

  4. 不動産取引ガイド

    ご自宅のキッチン、使い勝手はいかがですか?

    最近では男性の方もお料理をされる事が多いですが、やはりまだ女性のスペー…

  5. 不動産取引ガイド

    狭小地を購入するデメリットは何か

    都心の住宅街には、かなり狭い土地に小さな住宅が建てられているのを皆様も…

  6. 不動産取引ガイド

    自民党「空き家の所有者情報の外部提供等、2017年6月めどに提言をまとめる方針」

    自民党中古住宅市場活性化小委員会が2015年5月に取りまとめた「中古住…

  1. 不動産取引ガイド

    「増築未登記」など、現況と登記の相違に注意
  2. 不動産取引ガイド

    人工知能(AI)を活用した住宅査定!地価算出データを公開?!
  3. 不動産取引ガイド

    新しい太陽電池
  4. 不動産取引ガイド

    リフォームとは?
  5. 不動産取引ガイド

    土地の登記された面積についての表示
PAGE TOP