マンション

鵜呑みにして大丈夫?!「耐震改修済みトラップ!」

本日は耐震改修済みトラップという題目で、マンションについてお話ししたいと思います。リニュアル仲介では、旧耐震基準(昭和56年5月以前築)のマンションはお薦めしておりません。理由は防災の観点と、既存住宅売買瑕疵(かし)保険や住宅ローン減税等が利用できないからです。戸建てであれば、150万円程かけて耐震改修してしまえば済む話ですが、多くの所有者で共有しているマンションは、耐震改修を行なうという合意形成が難しく、現実的とは言えません。現に耐震改修済みのマンションは極々わずかです。

 

(ここからが本題です)

ところが!?極々たまに、「耐震改修済み」と広告にうたわれたマンションが売りに出ていることがあります。では、耐震改修がされているのであれば、耐震基準適合証明書の取得が可能で、瑕疵保険付保や住宅ローン減税等が利用できるのか?答えは否です。耐震改修にも事情があり、現行法と同等の耐震性まで引き上げる工事がされていることもあれば、部分的な改修しかしていないこともあるからです。

 

これについては、マンション管理会社に「耐震改修は自治体の助成金を利用して行ないましたか?」とヒアリングするのが、まずは簡単な確認方法でしょう。この聞き方がポイントです。助成金利用の要件として“現行法と同等の耐震性”を求めていることが多いからです(もし利用していないということであれば、疑ってかかりましょう)。管理会社に対して「耐震改修の内容を詳しく...」と尋ねても、専門外のことですから分からないのは当然ですし、仮に詳しく教えてもらったとしても、こちらにその専門知識がなければ結局内容がわかりません。過去に私が実際に調査した案件で、「助成金利用をする為の基準値を満たすまでの補強工事は予算の都合上できず、 一階部分の柱を補強する工事のみを行なった(管理会社談)」というマンションがありました。補強工事自体が意味ないというと、防災の観点から考えれば、全く補強をしないよりは部分的にとは言え補強してある方が強くなるわけですから、管理組合としては現実的なラインで堅実な判断をなさったと思います。 とはいえ、私達購入サイドは選択肢がたくさんあるわけですから、よほど立地・価格等、その他の条件が気に入ったということでなければ、優先的にこのマンションを選択する理由はないでしょう。リニュアル仲介はマンションでもマニアックです。

 

東京都都市整備局住宅政策推進部マンション課 『各区市マンション耐震化助成制度一覧』

http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/juutaku_seisaku/manshon-taisin-3-3.pdf

 

リニュアル仲介本部パイロット店 石川でした。

【忘れてはならない控除について(地震保険)】前のページ

地方公共団体における住宅リフォームに関する支援制度サイト次のページ

ピックアップ記事

  1. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?
  2. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  3. 立地適正化計画をご存知ですか?
  4. 住宅購入と 生涯の資金計画
  5. 危険な場所は 地形図で見分ける

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    マイナス金利効果?!で住宅購入者が増えています。購入後の引越し業者の選定方法をご存知ですか?!

    毎年3月は引越し依頼がもっとも多い月となり、費用も大幅に上がります。そ…

  2. 不動産取引ガイド

    2022年住宅ローン控除はどう変わる?

    2021年12月10日に2022年度税制改正が発表されました。消費税率…

  3. 不動産取引ガイド

    まず初めにリノベーション物件を内見しましょう

    中古物件の売却の際にリフォームを行っている物件を一般にリノベーション物…

  4. 不動産取引ガイド

    不動産売却の前に知っておくべき諸費用について

    不動産売却は一生のうちで何度も経験するわけではありません。相続した不動…

  5. 天災・事故等

    大規模災害と土地の境界

    土地の面積については、法務局備付けの公図・測量図において、境界のポイン…

  6. 不動産取引ガイド

    窓の種類!!

    最近自宅の建替を夢見ながらパソコンソフトを使い自宅の設計を楽しんでいま…

  1. 不動産取引ガイド

    東日本大震災から10年
  2. 不動産取引ガイド

    カーポートに適用される建ぺい率の緩和措置とは?
  3. 不動産取引ガイド

    家を購入するときにかかる初期費用と相場
  4. リニュアル仲介通信

    平成26年10月 住宅ローンの落とし穴
  5. 不動産取引ガイド

    住宅ローンの金利上昇の兆しあり!注意すべきポイント?!
PAGE TOP