不動産取引ガイド

「所在」は住所とは違う?

不動産のチラシには物件の「所在」が書かれています。ところが、この所在をカーナビの住所に入れて現地に行こうとしも「不明」と出たり、まったく辿り着けなかったりすることがあります。

実は、「所在」というのは、法務局が公図に基づいて地番を振って管理している番号の事で、市区町村が一般的に管理している「住所」とは異なる場合があります。
エリアによっては所在と住所が同じところもありますが、番号などが違うことも決して珍しいことではありません。カーナビに入っている地図には住所が登録されていますから、所在と住所が異なっている場合には、辿り着けないわけです。

ただ、この辺りの事は業者も厳密に使い分けていないことが多く、「所在地」といいながら住所が書かれてあったり、その逆だったりすることもあります。
家を買おうとしている人にとって、その物件がどこにあるのかは基本的な情報で、それによってその広告をじっくり見るかどうかが左右されます。したがって、たいていは市区町村(および何丁目)が大きく掲載されています。そして、最寄りの駅から徒歩で何分かもかかれてあります。
不動産物件の「徒歩○分」という表記には、眉唾をつけて見ている人も少なくないかもしれません。確かに、実際に歩いてみると少し短めに書かれていると思うことが多いものです。しかし、これは駅からの距離を「80メートルで1分」と換算して出すことが決められています。坂や信号、踏切待ちなどは全く考慮しない単純計算ですから、実際よりは短い場合も多いと思いますが、業者が意図的に短く書いているわけではありません。
ただし、ひどい業者になると、駅からの直線距離で徒歩何分かを計算して出していることがあります。また駅からの距離とは言っても、大きな駅ではどこまでが駅なのかあいまいなので、実際にはもっとかかるようなこともあります。
あくまでも目安と考え、検討に入る物件については、実際に自分で歩いてみる事をお勧めします。

お住まい購入のリスクを見抜く、不動産登記簿謄本の見方前のページ

水災害に強い街づくり―主体的な避難の推進―次のページ

ピックアップ記事

  1. 住宅購入と 生涯の資金計画
  2. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  3. 危険な場所は 地形図で見分ける
  4. 住宅購入は不安でいっぱい
  5. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    リフォームと建て替えどっちにしますか?

    私の家は築70年以上の古民家になります。ここで考えるのが古民家を活…

  2. 不動産取引ガイド

    【瑕疵保険①】中古住宅の保証って?

    今回から既存住宅売買瑕疵保険の新シリーズを始めます。耐震基準適合証明…

  3. リニュアル仲介通信

    資産価値が目減りしない住宅購入とは?

    ~平均923万円の資産を毀損している!?~住宅の資産価値といっ…

  4. 不動産取引ガイド

    「住宅ストック維持・向上促進事業」に採択されました

    国土交通省の「住宅ストック維持・向上促進事業」という補助事業があります…

  5. 不動産取引ガイド

    家を買うなめに知っておくべき「下水道システム」の違い

    住宅購入は人生の大きな決断の一つです。立地、間取り、価格など、多くの要…

  6. 不動産取引ガイド

    「景色を借りる」~借景を楽しむ住まい~

    先日、中古戸建のご案内に行ってきました。駅からはやや距離があり…

  1. 不動産取引ガイド

    「リフォームをしてから家を売った方が高く売れるって本当?」〜悩める住宅売却者への…
  2. 不動産取引ガイド

    みんなが既存住宅を選んだ理由
  3. 不動産取引ガイド

    一般的な住宅の居室に主に使われる床材の種類の基礎知識
  4. 不動産取引ガイド

    住宅ローンの「繰り上げ返済」、 注意点をご存知ですか?!
  5. 不動産取引ガイド

    東京圏新路線!資産価値に直結する要素は、つぶさにチェック!
PAGE TOP