不動産取引ガイド

売主が海外に居住している場合の注意点2

売主が海外に居住している場合に必要な書類などを前回ご紹介しましたが、その必要な書類を集めたとしても、外国語で表示された文書の内容についても確認が必要です。

住所地を証明する宣誓供述書

海外には、日本の住民票のように公的機関で住所を登録する制度がありません。

そのため、公証役場で、自分の居住地や過去の住所などを宣誓し、公証人に証明書を作成してもらうことになります。

日本における登記の際には、この海外で作成された宣誓供述書を添付書類として法務局へ提出しますが、この時に併せて日本語の訳文をつけるのですが、その表記に注意が必要です。

例えば氏名についても、「Michel」という表記が日本語表記の際に「ミケル」「ミッシェル」「ミッチェル」「マイケル」「ミヘル」とケースによって異なってしまいます。

登記上の書類として正しく使用できるかについて、事前に確認するなどの作業が必要です。

住所変更の日付

海外で取得する宣誓供述書の場合、住所変更の具体的な日付が記載されていないことも多々あります。

引越しから時間が経ってしまっている場合、具体的な日付を公証人に証明することが難しくなるため、場合によっては「●年に引っ越した」という記載に留まってしまうことになります。

こうした日本で準備する書類と形式が異なる部分についても、事前の確認が必要になるポイントです。

本人確認書類

また、手付金や売買代金を支払う場合でも、売主の本人確認にも慎重な確認が必要です。

海外の場合には、運転免許証やパスポート以外に、保険証や年金手帳のような公的な身分証明書が多くはありません。

マイナンバーカードのような市民IDカードを発行している地域であればそれを提示してもらうことも方法のひとつです。

最近では、売主が外国人である場合や、海外居住している日本人というケースが多くなってきています。

余計なトラブルに巻き込まれないよう、経験と知識のあるエージェントと一緒に住まい探しを進めましょう。

「マンション管理計画認定制度」をご存知ですか?認定第1号は「高島平ハイツ」前のページ

あなたのバッテリーは大丈夫ですか?次のページ

ピックアップ記事

  1. 住宅購入と 生涯の資金計画
  2. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  3. 立地適正化計画をご存知ですか?
  4. 土地価格の相場を知る方法
  5. 危険な場所は 地形図で見分ける

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    4号特例縮小よる影響

    建築基準法改正による4号特例縮小によって、新2号建築物となる2階建て以…

  2. 不動産取引ガイド

    迷惑行為…迷惑をかける側にならないような対策はしていますか?

    戸建てでもマンションでも近隣住民から迷惑行為を受けることもこのご時世あ…

  3. 不動産取引ガイド

    人口減家余り時代の住宅購入~不便な街から人が減って行きます~

    日本は人口減少社会です。厚生労働省の発表によると2022年の出生数は7…

  4. 不動産取引ガイド

    公図の見方 ~境界線上の黒い丸~

    法務局に備えられた地図(公図)をご覧になったことはあるでしょうか。…

  5. 不動産取引ガイド

    マンション建て替えしやすく 所有者合意2/3に変更される予定です!

    昨年の12月27日(日)の日本経済新聞の朝刊にも出ていましたが、国土交…

  6. 不動産取引ガイド

    住宅の耐震性に関するよくある「勘違い」

    住宅ローン減税のための耐震基準適合証明書に関係して、住宅の耐震性につい…

  1. 不動産取引ガイド

    お願いですから耐震を軽視しないでください!
  2. 不動産取引ガイド

    農地は本当に大変!(農地第4条・5条許可申請編)
  3. 不動産取引ガイド

    熊本地震が遺した教訓(その2)
  4. 不動産取引ガイド

    不動産仲介業者の物件「囲い込み」をご存知ですか?
  5. 欠陥・トラブル

    相続した不動産の上手な売り方
PAGE TOP