不動産取引ガイド

水害に備えて

今回の台風10号で、豪雨による浸水被害や土砂崩れの被害が各地で報告されています。
台風はすでに熱帯低気圧に変わりましたが、これまでに降った雨の影響で土砂災害の危険度が高まっているところもあります。
今後もこれまでに降った雨の影響で土砂災害の危険度が高まっているところもありますので十分に注意して頂きたいと思います。

自然災害に太刀打ちできないのはわかっていますが少しでも防御できないのかを調べてみました。

1.水害から「命」を守る

第一に自分や家族の命を守る行動をとりましょう。
避難情報に耳を傾け、早めの準備と行動をお願いいします。

「準備情報」段階でも住宅によっては危険な場合もありますので、常に早めの避難準備を心がけましょう。

避難準備情報・・・災害発生の可能性がある時に発令。避難準備を始めましょう。
乳幼児や高齢、要介護者がいる家庭は早めの避難をしましょう。
避難勧告・・・・・被害が予想される地域に避難を呼びかけます。
避難所への避難を開始しましょう。
避難指示・・・・・災害発生の可能性が非常に高い時に発令。
避難勧告よりも強く避難を指示。ただちに避難をしましょう。
お住まいの地域の「洪水」「土砂災害」「内水」の水害ハザードマップで避難経路や避難場所を事前に確認しておきましょう!

ハザードマップポータルサイトはこちら

2.水害から「家」を守る

・外からの浸水

河川の氾濫で外からの浸水を防ぐには、溢れた水や泥が流れ込んでくるのを防ぐには、土のうで臨時の壁を作るのが一番効果的です。
玄関はブルーシートの上に土のうを置いて浸水をガード。家にある板と重しで入口をふさぐ止水板も一定の効果があります。

・外以外の浸水

下水が大雨を処理しきれなくなると、排水溝から汚水が逆流する危険性が高まります。
キッチンや浴室、洗濯機は排水溝に、トイレは便器の中に水のうを置いて汚水の逆流を防ぎます。

3.自宅でできる災害防止

■雨水浸透桝(うすいしんとうます)の設置

雨水などを集めて一部を地面に吸収させるための集水設備です。

雨どいなどから流れてくる雨水をバケツのような形に受け止め、側面や底面にある浸透孔から地中に浸透させる構造になっています。
浸み込んだ雨は地下水や湧水となってゆっくりと川に到達するため、全ての雨水が一度に川に流れ込むことを防ぐことができます。
都市部ではアスファルト化が進んでいるため、雨が降っても地面まで吸収されるのに長い時間が必要になります。
浸透桝を設置することで、地表に雨水が集中して貯まることを防ぐことができます。

雨水浸透桝のメリット・デメリット

メリット

1.浸水被害、河川の氾濫の抑制

都市部など市街地化が進んでいる地域では雨水はほとんど浸透せずに道路や河川にそのまま流れ込んでしまっています。
雨水浸透ますを使い地下へ浸透させることで地表を流れる水の量が減り、時間をかけて河川へ流れ込むため浸水被害や河川の氾濫を抑制することができます。

地域によっては治水対策として雨水浸透ますの設置を推奨しているところもあります。
地域の役所のホームページで確認してみてください!

2.地下水位低下による地盤沈下を防ぐ

建物や舗装で浸透できる土地が少ない地域では地下水位低下による地盤沈下が起こりやすくなってしまいます。
浸透させることで地下水を回復させ地下水位低下を防ぐことができます。

3.自治体の補助を受けることができる

自治体によっては補助制度がないところもありますが多くの自治体では雨水浸透施設に対して補助制度を設けています。
設置前の申請が必要ですが、補助を受けることができれば雨水浸透施設設置にかかる費用を一部負担、または全額負担してもらえます。

デメリット

1.浸透機能には寿命がある

ますに集めた雨水は浸透穴を通して地中へ浸透させていきますが、浸透穴が土や砂などのゴミで詰まってしまえば浸透能力は落ちてしまいます。
メンテナンスをすることである程度回復させることはできますが何十年も使えば浸透機能は失われてしまい、いつかはただの雨水ますになってしまいます。

2.通常の雨水ますより高額になる

製品の値段もそうですが、施工の手間が増えるため工賃も通常の雨水ますより高額になりやすいです。

雨水浸透桝にもメリットとデメリットがありますが何十年も使っていくものなのでご自身が納得できるものをお選びください。
私の住んでいる市では雨水浸透桝の補助金制度は見つけられませんでした。
自治体の補助を受けられるかどうかはお住まいの市町村におたずねください。
リニュアル仲介、渡辺でした。

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