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新築マンションと注文住宅の良いとこ取り?「コーポラティブ・ハウス」という発想

販売チラシを見ていると、稀にですが「コーポラティブ・ハウス」というものを見かけます。

これは「cooperative(団体の、協同の)」という住宅になります。

同じ住宅意識や意向を持った人たちが集まり、組合を結成して、建物のプランなどに取り組むことで建築された集合住宅になります。

分譲マンションとは異なり、設計時点からプランを立てることができますので、まるで注文住宅のように自由設計が可能です。

また、新築分譲マンションのようにデベロッパーが広告コストや販管費等をかけることがないので、無駄なコストを削減できる、といったメリットもあるようです。

一方で、「自由に設計したい」という拘りの強い方が集まるケースも多く、デザーナーズハウスのように特徴的な間取りや設計になってしまう傾向があります。

また、拘りすぎて、結局、材料費や設計費が割高になってしまうこともあります。

こうした個人の趣味や嗜好が強く表れた住宅は、販売時にはネックとなりがちです。

住宅に反映された個人の特徴が、うまく新しい買い手に響けば良いですが、一般的には売りにくい物件となってしまうケースが多くあります。

その他にも、マンションなどに比べると総戸数が少なく、管理組合に関する個人の負担が大きくなってしまいます。

皆が同じ意識を持ち続けていられれば良いのですが、意思統一ができなくなってくると、住戸の管理状況にダイレクトに影響してしまいます。

もし、お住い探しの際にコーポラティブ・ハウスのデザインや間取りを気に入り、具体的に購入を検討される場合には、

・価格が相場と比べて高くないか?

・売却する際にきちんと反響が見込めるか?

・管理の状況は適切か?

などを、一般的な住戸以上に慎重に検討するようにしましょう。

ご自身で、ご自宅をリフォームする際も同様です。

あまり奇抜なリフォームをしてしまうと、売却時のネックとなりかねません。

折角の不動産の資産価値を毀損してしまわないよう、お気を付けください。

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