不動産取引ガイド

おとり広告が減っている!? インターネット広告の適正化に向けて

先日、(公社)首都圏不動産公正取引協議会は、2019年度の「違反物件情報等」の件数を報告しました。

こちらは、SUUMOやathome、HOME’Sなどのポータルサイトの運営会社5社が共同で、違反物件情報等の情報を共有し、その結果を報告したものです。

その結果報告によると、2019年度の違反物件情報等の件数は2,955件(前年比145件増加)でした。

全体としては増加となりましたが、そのうち「おとり広告」については1,857件(前年比355件減少)となりました。

「おとり広告」とは主に、実際には契約済みで現在は賃借人募集や買主募集をしていないのに、広告を掲載し続けている、というものです。

集客力のある物件で問合せを増やし、問合せをしてきた方に営業をかける、という不動産事業者の営業手法になります。

報告事例の中には、長いものでは2年以上契約済みの物件を広告していた、という事例もありました。

おとり広告以外の違反物件情報等としては、「面積記載の相違」や「駅距離表記の相違」、「記載すべき費用の不掲載」などがありました。

また、違反物件情報等が最も多かった物件所在地は、1位大阪683件、2位兵庫536件、3位東京487件となっています。

それぞれの運営会社では、違反物件情報等を確認した場合には、その広告を削除するなどの対応を取っているようです。

また、審査部門の強化も進めているとのことですので、おとり広告が減っていくという方向で進んでいけばと思います。

こうした広告を掲載している会社の多くは「物件を売りたい事業者」です。

もちろんまっとうな販売活動を行っている事業者もいますが、「売りたい」側としては、なるべく物件のマイナス情報は公開したくないですし、物件を良く見せたいという心理が働くことは当然です。

買い手側としては有象無象の物件情報の中から、買うべき物件をピックアップしなければなりません。

そこには、事業者と消費者という情報格差も存在します。

その工程は簡単な作業ではないと思います。

リニュアル仲介の提供する「SelFin」では、AIによる機械的な物件判定を行っていますので、こうした物件選びのとっかかりとしては参考になるのではないでしょうか。

物件価格の妥当性や、住宅ローン減税利用の可否、耐震性判断など、気を付けるべきポイントが一瞬で表示されるシステムです。

ただ、あくまでAIによる判定ですので、イレギュラーな要素などには対応しきれません。

実際の物件の良し悪しについては、やはり人の手による判定が必要になるかと思います。

まずはSelFinを物件選びの最初のフィルターとしてご利用いただき、気になる物件がありましたら、「診断結果問合せ」機能などからエージェントコメントも参考になさってみてください。

ぜひお住まい探しにお役立ていただければと思います。

マンションの共有部分のチェックもお忘れなく前のページ

二世帯住宅のメリット次のページ

ピックアップ記事

  1. 立地適正化計画をご存知ですか?
  2. 住宅購入と 生涯の資金計画
  3. 危険な場所は 地形図で見分ける
  4. 土地価格の相場を知る方法
  5. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    登記を信じてはいけない!? 登記の公信力とは

    不動産取引を行うと、代金の支払いや鍵の引渡しと同日に「登記」の手続きを…

  2. 不動産取引ガイド

    今後のテレワーク事情の変化について

    コロナ時代の理想の家に関する調査を行った結果、新型コロナの流行で家に対…

  3. 不動産取引ガイド

    本日は立春!

    立春とは二十四節気の一つで陰暦正月節で春の季節の始まりになります。…

  4. お金

    知らないと損をする3000万円控除とは!?

    日本の不動産税制では、自分が住む目的で所有している住宅(住居用財産)に…

  5. 不動産取引ガイド

    家の買い替えする場合のポイント③売却時にかかる譲渡所得税について

    不動産を、購入した価格より高い価格で売却した時は、その売却益に税金がか…

  6. お金・ローン・税金

    消費増税対策?!住宅ローン減税が10年から15年に延長される?!

    2018年10月26日(金)の日本経済新聞の朝刊に『住宅ローン減税 延…

  1. 不動産取引ガイド

    2017 年11月度の不動産相場
  2. お金

    「住宅ローン控除」を受けるには確定申告が必要!
  3. 不動産取引ガイド

    昨今の首都圏マンション高騰状況について、今後はどう考えるべきか
  4. 不動産取引ガイド

    リフォームを「工事」と捉えるか「製品」と捉えるか
  5. 不動産取引ガイド

    古い物件は、要確認!水道の引込管の材質について
PAGE TOP