不動産取引ガイド

買った建物が地震で壊れた場合はどうなるのでしょうか?

今回は危険負担についてお話しします。

Q:AさんとBさんとの間でAさんの家を3,000万円で売る契約がなされた際、例えば、雷が落ちて、あるいは地震が発生した結果、庫の家が滅失してしまいました。
いずれもAさんBさん(当事者)双方の責任なく家を引き渡せなくなってしまった、というケースです。

このような場合、買主のBさんは、それでも代金3,000万円の支払いに拒むことはできないのでしょうか?
これが危険負担です。

つまり、雷などによる滅失のリスクを、AさんとBさんのどちらが負担するのか、という事です。

A:民法上、この危険は、売主のAさんが負担することになります。つまり、AさんBさん(当事者)双方の責めに帰すことができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者である買主Bさんは、反対給付の履行を拒むことができます。
したがって、Bさんは、代金3,000万円の支払いを拒むことができます。

なお、SさんがBさんにこの家を引き渡した後に、雷などによって家が滅失したときは、買主のBさんは、契約を解除できず、また、その危険を負担することになり、代金3,000万円の支払いを拒むことができません。

これは最近の法改正によって改正された事項となります。

以前にもお伝えしましたが、法改正は何かしら行われてますので、全て知る事はできませんが、ご自身で必要となるような法律については知っておいた方が良いと思います。

もちろんわざわざ調べる必要はなく、不動産のプロに聞いていただけたらと思います。
わからない事があればお気軽にご相談ください。
リニュアル仲介、前田でした。

8月28日からの不動産重要事項説明において水害リスクの説明義務化前のページ

「木造瓦葺」と「木造かわらぶき」の違い次のページ

ピックアップ記事

  1. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  2. 住宅購入は不安でいっぱい
  3. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  4. 危険な場所は 地形図で見分ける
  5. 土地価格の相場を知る方法

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    迷惑行為…迷惑をかける側にならないような対策はしていますか?

    戸建てでもマンションでも近隣住民から迷惑行為を受けることもこのご時世あ…

  2. 不動産取引ガイド

    マンションを長寿命化するための施策とは?

    旧耐震基準で建築されたマンションや、そうでなくても築年数の経過したマン…

  3. 不動産取引ガイド

    水災害に強い街づくり -都市再生特別措置法の改正-

    気候変動の影響もあって水災害が頻発・激甚化しており、都市部においても浸…

  4. 不動産取引ガイド

    まだ間に合います!!

    まだ間に合います!!住宅購入において知っておかなければ損をする情報…

  5. 不動産取引ガイド

    ポケモンGOのジムまで徒歩5分

    先日、日本でもリリースされ、いい意味でも悪い意味でも注目されているアプ…

  1. 不動産取引ガイド

    海外赴任者 帰任に備えた日本の家探し 8 【事前準備~売買契約締結 編 6/9】…
  2. お金・ローン・税金

    2023年3月 フラット35金利のご案内
  3. 不動産取引ガイド

    住宅購入後の家具選び ジェネリック家具が姿を消す?!
  4. 不動産取引ガイド

    外壁塗装は何年に一度ぐらいやるのが良いのか?
  5. お金・ローン・税金

    共働き世帯必見。住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)の活用方法。
PAGE TOP