不動産取引ガイド

深刻な木材不足が引き起こす住宅問題

現在、深刻な木材不足が問題となっています。

アメリカ、中国などの世界的な木材需要の増加、コンテナ不足による輸送量の低下などにより、国内に入ってくる木材が圧倒的に不足している状況が生じている、という報告がされています。

住宅と木材の密接な関係

国内でも、テレワークの普及により、戸建の需要が高まっています。

戸建ての場合は、ほぼ木造となりますので、木材の使用量は大きなものとなります。

また、木造以外のマンションの場合でも、室内の壁や家財など、リフォームも含めれば木材の不足は無関係というわけにはいきません。

木材の価格高騰は、そのまま住宅価格の押し上げ圧力となりそうです。

輸入に頼る木材

日本の木材供給に関しては、その大半を輸入に頼っているのが現状です。

農林水産省は、平成21年に森林・林業再生プランを策定し、10年間で木材の国内供給率を50%に引き上げるという計画が立てられました。

平成31年の実績では、国内自給率が37.8%となっていましたので、目標には達成していませんが、ここ10年間では国内自給率の継続的な上昇が達成されています。

林業については、植林から実際に製材として商品化できるまでに、半世紀近い年月が必要となるため、長期的な視点と、忍耐強い努力が必要とされます。

現在はちょうど、戦後に植林された人工林が、伐期を迎えていると言われていますが、継続的な国内供給を維持するためには、森林の保護・管理が必要となります。

一方で、相続人不明による森林の管理放棄なども大きな問題となっています。

森林は、適度な間伐、枝打ちや下草刈りをしないと、きちんと製材することができません。

日本の国土の3分の2を占めると言われる山林が管理を放棄され、一方で必要とされる木材が不足するというのも残念な話です。

不動産に携わる人間としては、土地建物が正しく利用・管理されて、その価値が適正に維持され、継続可能な社会が実現できることを願うばかりです。

2021年5月 フラット35金利のご案内前のページ

コロナ禍でもマイホームを「今、あえて買う」理由次のページ

ピックアップ記事

  1. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  2. 住宅購入は不安でいっぱい
  3. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?
  4. 立地適正化計画をご存知ですか?
  5. 危険な場所は 地形図で見分ける

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    相続時の不動産名義変更について

    この度、相続の関係で不動産の名義変更を行う事になり、いろいろ手続きで不…

  2. 不動産取引ガイド

    物件数が少ない?

    一時期に比べたら少しは落ち着いたようにも思いますが、まだまだお住い探し…

  3. 不動産取引ガイド

    2020 年11月度の不動産相場

    公益財団法人東日本不動産流通機構(通称:東日本レインズ)から、2020…

  4. 不動産取引ガイド

    LCCM住宅(ライフサイクルカーボンマイナス住宅)とは?

    最近ではZEH(ゼッチ)住宅やLCCM(エルシーシーエム)住宅などの広…

  5. 不動産取引ガイド

    住宅ローンの返済方法は、全額返済or不動産売却だけではない?!

    住宅ローンを利用すると、基本的には長期にわたって借入額を返済していくの…

  6. 不動産取引ガイド

    耐震基準適合証明書と住宅ローン減税 【旧耐震の場合】

    建物の状況別の対応シリーズです。築20年以内か、築20年超えか…

  1. 不動産取引ガイド

    納得できる 土地選びのポイント2
  2. お金・ローン・税金

    タワーマンションの高層階は増税?!対象となるマンションとスタートの時期は?!
  3. マンション

    「物件探しジプシー」がようやくたどり着いた好物件
  4. 不動産取引ガイド

    子供部屋の概念を変えてみる!?
  5. 不動産取引ガイド

    防災月間に考える「避難の必要のない建物」とは?!
PAGE TOP