不動産取引ガイド

金利が安い時が不動産の買い時です

この仕事をしているとよく聞かれるのが「不動産の買い時はいつ?」です。
この質問に対して「金利が低い時が不動産の買い時です」とよく回答します。

不動産は株や為替のような頻度ではないにせよ、市場の相場があり、かつてのバブル期のように全体的に不動産価格が上昇することもありますし、暴落する可能性はゼロではありません。
この買い時という質問には「一番安く買えるタイミング」という意味が含まれています。
不動産も市場の価格原理が働くので、一番安く買えるタイミングは、供給過多の状態、つまりは売り物件ばかり溢れている状況となります。

要するに周りの人が家を買わなくなるタイミングにならないと「一番安い」は期待できないわけです。
ただ、株などの金融資産に比べると、不動産の値動きはそれほどスピード感がある訳ではないので、何となく上がっている、下がっているは実感できても、一番高い・安いを見定めることは困難で、結局のところ結果論でしかないわけです。

不動産購入には物件代金だけでなく、住宅ローン金利という大きな支払いが伴います。
住宅ローン金利は毎月更新されるので、動きが明確です。従って金利が低い時に買うのがお得=買い時と言えるわけですね。

今は空前の低金利時代

住宅ローンを検討する際は、今の金利だけに目を向けてはいけません。
多くの方が変動金利の住宅ローンを選択するのですが、金利が低い時は固定金利を選択するのがセオリーです。
しかし、変動金利は固定金利より低く設定されているので、どちらが良いですか?と並べられると、低い方を選択してしまいがちなのです。

2022年4月のフラット35の最低金利は1.24%(借り入れ期間21年以上、団体信用生命保険含まず)です。
たったこれだけの金利で全期間固定を選択できるという感覚は、住宅ローン金利の変動を10年単位で追ってみないと実感しにくいかもしれません。

10年前の2012年4月のフラット35の金利は2.16%でした。今より0.92%も高かったわけです。
※ちなみに当社でフラット35の金利を計測し始めたのが2008年の4月なのですが、この時は2.64%でした。

低金利政策が長引いているだけで勘違いされている方が多いのですが、今の低金利政策はあくまでイレギュラー対策で、低金利政策が終わると必然的に住宅ローンの金利も上昇します。
冒頭に「金利が低い時が不動産の買い時です」とよく回答しますと記載しましたが、本音は「いつ低金利政策が終わるかわからないから今買っておいた方がいいよ」となります。

今後考えられる3つのシナリオ

大げさに見出しを付けましたが、金利の話なので、維持するか上がるか下がるかしかありません。
今は低金利政策でこれ以上金利が下がることは期待できないので、
1)今の金利を維持する
2)緩やかに上昇する
3)急上昇する
のいずれかということが想定されます。

まず1)についてですが、ここ最近の経済動向ではかなり難しいのでは、という見方をされる方が多いです。
事実アメリカは低金利政策に終止符を打ちました。
ここでは詳しく書きませんが、国全体の経済を考えると、必ずしも金利が低いことが正常な状態というわけではないということです。
今のところ日本は低金利政策を継続する意向ですが、コロナに加えて戦争という全世界を揺るがす大きな事象の真っ最中なので、どこまで維持できるかわからない、というのが正直なところでしょう。

続いて2)ですが、低金利政策が終わり、フラットの金利で3%~3.5%当たりまで、緩やかに金利が上昇する。まさに理想とする展開です。
政府も当初の目論見通り景気が回復できたら、緩やかな金利上昇をコントロールしたかったのではないかと思いますが、残念ながら、これはあくまで理想論であって、コロナに戦争というイレギュラーの掛け算の中では、こんな繊細な市場コントロールは至難の技と言わざるを得ません。

そして考えられるのが3)です。最も起きて欲しくない展開ですが、今の情勢だと最も起こり得る展開とも言えます。

急激な金利上昇で最も困るのが変動金利で住宅ローンを返済中の人です。
法律で年間の返済額の上げ幅は決まっているのですが、多くの人が選択する元利均等方式では、金利が上昇すると、毎月の返済額のほとんどが金利の支払いとなり、いつまでたっても元金が減らないという状況に陥ります。

こうなると困るので、固定金利など安全なローンへの借り換えを考える人も出てくると思いますが、変動金利よりも固定金利の方が高いので、ローン借り換えの諸経費に加え、毎月の返済額も上がってしまうというかなり厳しい選択を余儀なくされます。(返送金利から固定金利への借り換えは一般的ではありません)

少しでも不安を感じる方は全期間固定を選択しましょう

テレビのニュースでウクライナの惨状が毎日報道される状況です。
原油価格だけでなくあらゆる価格が上昇している中、円安の動きも懸念される状況です。
経済的な危機感を考慮するなら、リーマンショックよりも東日本大震災よりもはるかに恐ろしい状況と言えるでしょう。
※このような情勢下だからこそ不動産購入が生きてくるのですが、それはまた別の機会に…。

さて質問です。
今後金利は維持できると思いますか?金利が急激に上昇することは考えすぎでしょうか?
誰しもが金融・経済のプロではありません。
先の見通しに少しでも不安を感じる方は、変動金利に惑わされずに、全期間固定の住宅ローンを選択しましょう。
また、そういった意味でも、いつが買い時か?についても、過去最低レベルで固定金利の住宅ローンが組める「今」が買い時なのだ、という意見も受け入れていただけるのではないでしょうか。

不動産取引は非対面になるのか前のページ

家を買うために適した良い土地の地盤の選び方次のページ

ピックアップ記事

  1. 立地適正化計画をご存知ですか?
  2. 土地価格の相場を知る方法
  3. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  4. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  5. 住宅購入は不安でいっぱい

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    無電柱化の推進!

    電柱化推進のための新たな取り組みが行われている事はたまにニュースなどで…

  2. 不動産取引ガイド

    権利証を紛失してしまったら その1

    不動産を購入した場合には、新たに権利証が発行されます。正式には…

  3. 不動産取引ガイド

    住宅ローンの返済方法は、全額返済or不動産売却だけではない?!

    住宅ローンを利用すると、基本的には長期にわたって借入額を返済していくの…

  4. 不動産取引ガイド

    道なのに道路ではない⁉

    前回、自宅の建て替えの為土地の調査をしましたが市町村の道路課で建築基準…

  5. 不動産取引ガイド

    ブロック塀の倒壊から考える違法建築物を所有するリスク

    大阪府北部で震度6弱を記録した地震では、建築基準法の条件を満たさないブ…

  6. 不動産取引ガイド

    相続登記義務化の詳細

    土地や建物を所有している方に相続が発生した場合、これまでは名義変更(=…

  1. 不動産取引ガイド

    2022年10月度の不動産相場
  2. 不動産取引ガイド

    職場の地震倒壊リスクを確認!学校、よく行く商業施設、耐震性は大丈夫?
  3. 不動産取引ガイド

    不動産取得税の注意点
  4. 不動産取引ガイド

    自分の目でも確かめる意識が大切!
  5. 不動産取引ガイド

    「マンション管理計画認定制度」をご存知ですか?認定第1号は「高島平ハイツ」
PAGE TOP