不動産取引ガイド

海外赴任者 帰任に備えた日本の家探し 14 【ローン正式審査~決済編 3/6】

「海外赴任者 帰任に備えた日本の家探し」シリーズ。今回は、「2.各種証明書取得(耐震基準適合証明書、かし保険付保証明書、フラット35適合証明書)」についてご説明したいと思います。

今回ご説明するに内容は、必要な場合とそうでない場合があります。もし、下記のいずれかに該当する場合には、取得が必要なので、手続きをするようにしましょう。

1.住宅ローンは、フラット35を利用する。

2.購入する物件が、築20年超(マンションのような耐火構造の場合は25年超)。

このうち、「1.住宅ローンは、フラット35を利用する」の場合には、フラット35の技術基準に適合していることを証明する「フラット35適合証明書」が必須となります。この証明書がなければ、そもそも融資が受けられなくなってしまいますので、絶対に手続きをしなければいけないものです。ここで一つ注意点があります。フラット35にはフラット35“S”という金利優遇のプランもあります。とても簡単に説明すると、購入する物件が、通常のフラット35の基準よりも性能が良いものは、“S”が適用になり、当初5年間は0.25%(※)金利が安くなります。これは是非使いたいものですが、単にフラット35適合証明書の発行を依頼するだけでは不十分です。証明書発行をしてくれる人が、「Sの基準に適合していたので、Sの適合証明書を発行しておきました。」と、気を利かせてくれることを期待してはいけません。きちんと、「フラット35Sが使いたい」と申請しなければいけません。ちなみに、リニュアル仲介でお住まい探しをなさっているお客様の場合には、リニュアル仲介のエージェントが、物件の内見時に、「この物件は〇〇だから、フラット35の技術要件は満たしています。」とか「〇〇をすれば、フラット35Sが使えるようになります。かかる工事費用は〇〇円くらいだと思います。」といった、アドバイスをさせて頂きますし、証明書発行申請等の手続きも、全てエージェントが手配しております。なお、マンションの場合には、もし購入する物件が「らくらくフラット35」に登録されているものであれば、証明書取得を省略することができます。これについては、過去に下記の記事を書きましたので、そちらをご覧下さい。もし「らくらくフラット35」に登録されていなかったとしても、フラット35適合証明書が発行できないということではありませんので、あきらめる必要はありません。

≪らくらくフラット35について≫

「登録の有無は必ず確認!中古マンション×フラット35利用のコツ。」https://smile.re-agent.info/blog/?p=890

※平成29年9月末までにローン正式審査を申込んだ方は、0.25%ではなく0.3%の引き下げ。また、フラット35Sには金利BタイプとAタイプの二種類があり、前者が当初5年間の引き下げ、後者が当初10年間の引き下げとなります。細かな説明は省略しますが、中古住宅の場合は、「適用できるとしても金利Bタイプ」と覚えて頂いて差支えないかと思います(金利Aタイプの性能基準に適合させるのが現実的ではないため)。

「2.購入する物件が、築20年超(マンションのような耐火構造の場合は25年超)。」に該当する場合には、「耐震基準適合証明書」又は「瑕疵(かし)保険の付保証明書」のいずれかが所有権移転前に取得できていないと、各種税制の優遇が適用されません。例えば、住宅ローン控除や登録免許税(=登記のときにかかる税)、住宅取得資金贈与の非課税制度、相続時精算課税制度等です。さらに、築が昭和57年1月1日よりも前の場合には、不動産取得税の軽減も適用になりません。これらの制度は、利用しなければいけない、というものではないので、耐震基準適合証明書、かし保険付保証明書は「必須」ということではありませんが、ローン控除や贈与税などは、金額が大きいだけに、絶対に使いたい制度です。なお、これらの制度利用に必要な上記「かし保険」は、正式には「既存住宅売買かし保険」という種類のかし保険を選ばなければいけません。かし保険の中には、リフォームかし保険や、引渡後リフォーム型の既存住宅売買瑕疵保険など、いろいろと種類があり、上記制度が利用できないタイプのものもありますので、十分注意しましょう。このことについては、過去に下記の記事を書きましので、詳細はそちらをご覧下さい。正直言って、結構ややこしいと思います。リニュアル仲介のエージェントは、この点についても熟知しておりますので、お客様が無用な心配をせずにすみます。

≪既存住宅売買瑕疵(かし)保険 関連記事≫

「売主は誰だ!?」既存住宅売買瑕疵(かし)保険の種類と注意点 ≪付保証明書で住宅ローン控除等を使う方法≫

https://smile.re-agent.info/blog/?p=3895

「付保証明が出ても減税が使えない!?」既存住宅売買瑕疵(かし)保険の種類と注意点 ≪付保証明書で住宅ローン控除等を使う方法≫

https://smile.re-agent.info/blog/?p=3934

 

【前編】「マンションならではの2つの問題!?」既存住宅売買瑕疵(かし)保険の種類と注意点 ≪付保証明書で住宅ローン控除等を使う方法≫

https://smile.re-agent.info/blog/?p=3946

【後編】「マンションならではの2つの問題!?」既存住宅売買瑕疵(かし)保険の種類と注意点 ≪付保証明書で住宅ローン控除等を使う方法≫

https://smile.re-agent.info/blog/?p=3967

リニュアル仲介では、このようなことについても適切にアドバイスさせて頂きながら、お客様のお住まい探しをお手伝いしております。住宅購入を検討の方は是非ご相談下さい。

次回は、「3.火災保険の検討と加入手続き」について、説明していきたいと思います。

リニュアル仲介本部パイロット店 エージェント石川でした。

***************************************************

■不動産の資産価値を即座に判断

セルフインスペクションアプリ「SelFin」

https://self-in.com/ (ご利用は無料です)

**************************************************

 

建築物の見えない空間になにが詰まっているのでしょうか?前のページ

知っておきたいカラーコーディネイトの基礎知識次のページ

ピックアップ記事

  1. 危険な場所は 地形図で見分ける
  2. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?
  3. 住宅購入は不安でいっぱい
  4. 住宅購入と 生涯の資金計画
  5. 立地適正化計画をご存知ですか?

関連記事

  1. お金

    “勘定合って銭足らず”調整不足で建築中に資金ショートの事態も!

    今回は「土地を買って新築(戸建)」の注意事項をご紹介します。リニュアル…

  2. 不動産取引ガイド

    熊本地震から1年…地震対策はされてますか?

    熊本地震から1年が経ちました。1年前のままの変わっていない映像など…

  3. 不動産取引ガイド

    建物インスペクションとはどのような業務?

    おはようございます。リニュアル仲介の渡辺です。中古住宅購入には…

  4. 不動産取引ガイド

    炎は癒し効果!!

    炎には癒し効果があるのをご存知ですか?大阪ガスのエネルギー技術研究…

  5. 不動産取引ガイド

    住宅購入は不安でいっぱい

    9月9日の読売新聞で「金融緩和「静かな出口」探る、賃上げ見極めは「年末…

  6. 不動産取引ガイド

    災害と不動産購入

    毎日のように地震が各地で起きていますが今年も3月11日を迎えました…

  1. 不動産取引ガイド

    どうする人口減問題?!日本は移民を受け入れられるのか?
  2. 不動産取引ガイド

    その擁壁(カベ)、本当に安全ですか?~宅地造成等規制法~
  3. 不動産取引ガイド

    修繕積立金は安ければいいというものではありません
  4. 不動産取引ガイド

    「大規模」か「小規模」か?それも選択ポイントの一つ
  5. 不動産取引ガイド

    注文住宅で予算オーバーする原因
PAGE TOP