不動産取引ガイド

よく出る質問 その1「割安な物件はどう見つけるのか」

「割安な物件はどうやったら見つけられますか?」

お客様からよく出る質問です。

これは、よく聞かれますが回答の難しい質問です。

なぜなら、売主様は一般的には少しでも高く売りたいという思惑があり、最初から相場より割安で売る理由がほとんどないので、一般消費者の方が割安な物件を目にする機会が非常に少ないからです。

※この辺りの売主様の思惑については、前回掲載した「知らないと数百万損する!? 売出価格と成約価格の差」をご覧ください。

但し、全ての売主様が価格最優先とは限りません。売主様がなんらかのご事情で住み替え等の際の売却であれば、「高く売って儲けよう」という発想の方ばかりではありません。個別判断や個別の事情で手放してもよい金額の目安を持っていたりします。

では、上記の理由で相場より割安な物件が最初からあったとしても、それを一般消費者の方がどうやって手に入れるのか。これは毎日マメにネット情報をチェックしていても残念ながら中々出会えません。

理由は、1.本当に安い物件は、不動産事業者が買取再販業者に情報を提供し買い取らせる。

2.自社の顧客に情報を先に提供し案内してしまう。等の理由から、売却を早々に済ませてしまい、表に出てこないケースが多いからです。

インターネットで出ている情報で、「この立地でこれは割安かも」と感じる物件があったとしたら、「安い理由」が必ずあるといってもいいでしょう。一般的には、土地が借地権、建物の状況がひどい(リフォームに費用がかなりかかる)、違法建築、土地の間口が狭い、建物が狭すぎる、陽当たりは悪すぎる、管理費等毎月のランニングが高すぎる・・・等、理由は様々。これがよくある「安いと思って買ったら、実は○○だった・・・」という失敗につながるケースの一つでもあります。「安かろう悪かろう」は避けたいですよね。

もし、安い理由が特段ない物件が出ていた場合は、即断即決しないと買えないものが多いでしょう。他のお客様も割安だと思って最初の週末土日に内見者5~8組等重なったりすることが現場で良くあります。その際は、ローンが事前に通っている事、その場で購入決定をしないとほとんど買えません。そんな中、初めて住宅を購入しようとする人が、はたしてその場で即決できるでしょうか・・。

私がお勧めする購入の仕方は・・

割安な物件を探し求めていくのではなく、資産価値の高い物件でこれなら購入してよいというものを価格交渉した方が良いです。価格が安いとみんなが割安かもと思い、集中してすぐに結論を出さなければなりません。そうなる前の物件をじっくり検討した方がいいですね。

例えば、5,000万円の予算であれば、4,980万で出ている物件より5,280万円等で売っている物件の方が良い物件だという事が多く、その物件を価格交渉して購入した方が結果的に良い場合が多いです。

消費者はそれぞれ自分の予算を持っており、4,000万、4500万、5000万、5500万等500万円単位ごとにネットで上限を決めて検索する人が多いのです。

5,000万円以下の予算の人であれば、5,000万超の物件を探すことは少なく、5,000万円超で売っていた物件が、ある日価格改定で4,980万円で売りに出たとなれば、5,000万円以下で探していたお客様には、新着のように見えます。そして、お客様が集中し、すぐに決まってしまう事が多いのです。

ご自分の予算より5%ぐらい上の価格までみておき、我々が価格の妥当性を精査、その上、価格交渉をして妥当なラインまで安くなれば購入する。これが結果的にはお得な買い方の一つかと思います。

ご自分独自で価格の妥当性等を検証するのは難しいと思います。

住宅購入失敗しないためにも我々エージェントに気軽に相談下さい。

以上、バイヤーズエージェント中田でした。

***************************************************

■不動産の資産価値を即座に判断

セルフインスペクションアプリ「SelFin」

https://self-in.com/ (ご利用は無料です)

**************************************************

海外赴任者 帰任に備えた日本の家探し 16 【ローン正式審査~決済編 5/6】前のページ

土地もしくは建物が周辺物件に比べて安いなと感じた時…次のページ

ピックアップ記事

  1. 立地適正化計画をご存知ですか?
  2. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  3. 土地価格の相場を知る方法
  4. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?
  5. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    自分たちの「価値」も家選びの軸にしよう!

    家探しを始めたら、物件情報をばかりに目が行きます。「とにかく家を購…

  2. 不動産取引ガイド

    お隣さんと住所が一緒 住居表示のカラクリ

    戸建てを購入した際に、お隣の家と住所が一緒で驚かれる方がいらっしゃいま…

  3. 不動産取引ガイド

    狭小地を購入するデメリットは何か

    都心の住宅街には、かなり狭い土地に小さな住宅が建てられているのを皆様も…

  4. 不動産取引ガイド

    納得できる土地選びのポイント1

    土地を買って家を建てるパターンや建築条件付き宅地を買うパターンでは、土…

  5. 不動産取引ガイド

    テレワーク可能な部屋探しのテクニック

    最近のお住まい探しでよく聞くご希望は、「テレワーク用の部屋が欲しい」「…

  6. 不動産取引ガイド

    シロアリは何故発生する?

    戸建ての場合、住み続けるとメンテナンスを定期的に行っておかないとどんど…

  1. 不動産取引ガイド

    配線計画
  2. 不動産取引ガイド

    ルーフバルコニーのメリット・デメリット
  3. 不動産取引ガイド

    外壁の色と室内温度は関係
  4. 不動産取引ガイド

    家を選ぶ「判断基準」を理解してからスムーズに・・
  5. 不動産取引ガイド

    中古戸建住宅購入時に把握しておきたい、耐震性能(木造戸建て)+実例紹介!
PAGE TOP