不動産取引ガイド

タワーマンションのメリット・デメリット

タワーマンションは、「タワマン節税」と呼ばれる相続税対策や固定資産税、不動産取得税対策がもてはやされたこともあり、特に人気となりました。2017年の税制改正でこの節税方法は徐々に難しくなりつつありますが、それでもタワーマンションの高層階は人気で、価格も落ちにくいとされています。

◆【タワーマンションのメリット】
・高層階は騒音もなく眺望もいい。湾岸エリアなどは、東京の夜景を手に取るように眺めることができる。
・他の部屋や建物からは部屋の中を覗かれることもなく、プライベート性が高い。高層階は日当たりもよく、湿気も少ない。


・大規模な物件も多く、共用部分のラウンジやスパやジムなどの付属施設などが充実している物件が多い。外出せずとも十分楽しめそうである。また、最近の物件はエレベーターのセキュリティも充実しており、エレベーターが指定のフロアーでしか着床できないような仕組みにもなっていて、防犯性も高い。

・都心部のタワーマンションには、その地域一帯を再開発してスーパーや飲食施設を作ったり、フィットネスジムやパーティールーム、あるいはフロントサービスや保育施設を設置して居住者の暮らしやすさを実現しています。

但し、いいことばかりではありません。
◆【タワーマンションを検討される時の注意点】
メリットが多いタワーマンション高層階だが、もちろん注意すべき点もある。

・1階に下りるまで時間がかかる
特に、朝の通勤時などエレベーター待ちでかなりの時間をとられる虞があります。
普段の買い物なども下に降りないといけないため、おっくうになるかもしれない。

・洗濯物や布団は干せない
タワーマンションでは、ベランダで洗濯物を干すことが規約で禁止されている物件が多い。また「布団を干すこと」も規約で禁止されていることが多いし、そもそも強風で干すことができないだろう。

・災害時の安全確保への不安
高層階に限らないことだが、マンションのエレベーターが停まり、中に閉じ込められたという例もある。火事になった場合、高層階は煙が充満する不安もある。とはいえ、現在の新築タワーマンションは、東日本大震災の時の経験を踏まえて、災害対策が十分になされている物件がほとんどではある。

・陽当たりが良すぎる
日当たりがよいことが、タワーマンションの高層階のメリットであるが、逆にデメリットになる場合もあります。特に、西向きの物件は、強烈な西日のせいで、家具や内装が日焼けして劣化を早める恐れもあり。南向きや西向きは冬でも冷房をつけないと入れないぐらいの暑さにもなるようです。

・大規模修繕工事などの修繕費が高い
現在販売中のタワーマンションは、大手不動産デベロッパーが開発した物件が多く、かなり緻密に大規模修繕計画を立てており、対策はしているものの、実際の修繕費用などの負担は発生することは避けられないだろう。

◆【高層階の物件を選ぶときに気を付けたいこと】

物件を選ぶときに気を付けたいことは、まずは部屋の位置する「方角」です。特に高層階では「眺望」が重視されることが多いが、日当たりは良すぎるくらいなので、低層階で日当たりがよいと言われる向きの高層階は一年中暑いので注意が必要です。

・適正価格の見極めが難しい
一般的にタワーマンション高層階の価格は高額なうえ、物件によっては、最上階に高級・高額な住戸が用意されている。タワマン高層階はたしかに眺望もよく設備も充実しているが、価格と見合うかどうかも考慮しつつ、自分や家族にとって快適に暮らせる物件を選びたい。

ここ昨今のブームとしては、タワーマンションが非常に人気あり、確かに資産性も高く価格が維持されています。但し、大きな震災が起きた時のデメリットも大きいので、自分のライフスタイルに合うかを吟味したうえで検討することをお勧めします。

以上、バイヤーズエージェント中田でした。

***************************************************

■不動産の資産価値を即座に判断

セルフインスペクションアプリ「SelFin」

https://self-in.com/ (ご利用は無料です)

**************************************************

住宅ローンを組む際に注意すべきポイント前のページ

競争力急上昇!固定金利住宅ローンの定番「フラット35」が使いやすくなりました!次のページ

ピックアップ記事

  1. 住宅購入と 生涯の資金計画
  2. 危険な場所は 地形図で見分ける
  3. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  4. 土地価格の相場を知る方法
  5. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    売れない住宅にしないために ~権利編~

    各方面で、「空き家問題」が大きく取り上げられています。空き家が…

  2. 不動産取引ガイド

    買ってはいけない物件を自動でチェック「SelFin」リリースしました

    本日「SelFin(セルフィン)」という新しいサービスを開始しました。…

  3. 不動産取引ガイド

    マンション購入時に知っておきたい修繕積立金の盲点について

    突然ではありますが、修繕資金が不足する分譲マンションが増えている事をご…

  4. 不動産取引ガイド

    外壁メンテナンスフリーに近づける方法

    家を買ったら終わりではなくて家のメンテナンスをしっかり行えば長持ちし快…

  5. 不動産取引ガイド

    中古マンションの選択方法「狙い目」について

    マンション価格の上昇が続いています。新築が高騰する中、中古マンションを…

  6. 不動産取引ガイド

    中古マンション、割安取引 が広がる?!仲介会社選定基準

    最近、新築マンションの価格高騰を受け、割安感のある中古マンションに注目…

  1. 不動産取引ガイド

    捨てることができない不動産の捨て方
  2. 不動産取引ガイド

    駅・線路の地下化。不動産にはどのように影響するのか?
  3. 不動産取引ガイド

    建物インスペクションとはどのような業務?
  4. お金・ローン・税金

    2021年3月 フラット35金利のご案内
  5. 不動産取引ガイド

    マンションの建て替えに必要な”合意形成”
PAGE TOP