不動産取引ガイド

キッチンに電源が足りない問題

電子レンジ、冷蔵庫、トースター、炊飯器…。昔と違ってキッチンで利用する電化製品が増えています。

購入する物件を検討する際に、これら電化製品を設置するスペースが確保できるか、というのは大きな検討ポイントになっていると思います。

先に挙げた定番のキッチン家電に加え、最近では具材を入れておけば自動的に調理してくれるオートクッカーや、電気のフライヤー、野菜ジュースなどを作るジューサー、食材を真空パックするシーラー、簡単に自家製パンが焼けるホームベーカリーなど、あると便利なグッズも増えています。
これら便利グッズは、共働き世帯のライフハックとして紹介されていて、以前に比べてもキッチンスペースの問題はより重要になりつつあると感じます。

さて、便利な調理家電やグッズが増えるとともに、決定的に不足するのが電源です。キッチンに限らず、日本の住宅はコンセントが不足し、設置位置もいまいちよくありません。
キッチン周りの電源不足をタコ足配線で補っている家庭は多いと思います。キッチンは、リビングなどと違って、コンセントが食器棚や冷蔵庫などで隠されてしまうことがあり、火災の原因になることが懸念されます。(電子レンジなどのタコ足配線は非常に危険です!)

これから家を買う方は、大型の家具・家電を入れてしまう前に、キッチンに必要な配線計画を立てることをお勧めします。
普段は隠されていても、掃除や交換時など必要な時にコンセントまでアクセスできる計画にしておくことが大切です。

また、電源ケーブルは折り曲げたり、束ねたりしてはいけません。(ケーブルが理由の火災が増えているようです)
先日テレビ番組で、芸能人の自宅で、「ケーブルが表に出るのが嫌なんですよ」と言って、家電の後ろに折り曲げられたケーブルが映っていたのですが、ケーブルの折り曲げは本当に危険なんです。
ケーブル類を表に出したくないほどこだわりたい人がやることは、上手く収めるではなく、無理のない配線計画です。

キッチンでの作業は家事の中でも大きなウェイトを占めます。
家事労力の改善のために、今後も便利なグッズがどんどん世に出てきて、ますますキッチンの電源が不足すると予想されます。※IOT機器の関係で無線LANなどネット環境も問題になるかもしれません。

物件検討時の電源の確保と、入居前の電源メンテナンス方法の確保は、これからの住宅購入に欠かせない要素となるかもしれません。

インスペクションは手段であって目的ではありません前のページ

熊本地震が遺した教訓(その2)次のページ

ピックアップ記事

  1. 危険な場所は 地形図で見分ける
  2. 住宅購入は不安でいっぱい
  3. 住宅購入と 生涯の資金計画
  4. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  5. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    畳の構造

    畳は中の芯の部分にあたる畳床と、私たちが普段目にしている畳表と畳の縁か…

  2. 不動産取引ガイド

    幹線道路沿いは避けてたはずなのに...

    大通り沿いの物件は、騒音を嫌って検討から外す方も多くいらっしゃいます。…

  3. 不動産取引ガイド

    家具のレンタル、ご存知ですか?

    リニュアル仲介では住宅の資産価値は立地が大きな部分を占めるということを…

  4. 不動産取引ガイド

    ヒートショックには気をつけて!!

    暑い夏が終わり,あっと言う間に冬が来ます。ヒートショックとは、…

  5. 不動産取引ガイド

    電気温水器って何? エコキュートの違いは何か?

    電気温水器に電気給湯器、エコキュートと、電気を使ってお湯を沸かす機器の…

  1. 不動産取引ガイド

    住宅性能表示制度とは
  2. 不動産取引ガイド

    2018 年10月度の不動産相場
  3. 不動産取引ガイド

    危険な場所は、地形図で見分ける!
  4. 不動産取引ガイド

    定期借地権付きの住宅って所有権付き住宅と何が違うの??
  5. 不動産取引ガイド

    減災型まちづくりを模索し、立地適正化計画のエリアも変更される?!
PAGE TOP