不動産取引ガイド

修繕積立金の金額

住宅購入する場合、毎月発生する住宅ローンとマンションの場合は修繕積立金と管理費が発生する事となります。
もちろんその他にも借地権付きの物件でしたら地代も発生し、毎月のコストが高くなってしまうので、購入時には特にチェックされていると思います。
毎月のコストは出来るだけ抑えたいですがその中でも修繕積立金については相場がわかりづらい方もいらっしゃるのではないかと思いましたので、今回は修繕積立金に金額についてお伝えしたいと思います。
修繕積立金はどのくらいの金額が妥当といえるのでしょうか?

分譲当初の修繕積立金は売りやすくする為にかなり低く設定されていることが多く、6,000~8,000円(1戸当たり)で㎡単価にすると100円だったりします。
これでは修繕積立金がたまらず、工事資金が不足してしまう事から国土交通省は2011年に「修繕積立金に関するガイドライン」を発表しました。
以降、㎡単価200円程度というのが目安となっているようです。

そもそも、そんなに修繕は必要なのか?という事になりますが、コンクリートは100年持つと言われているそうです。ですが、それには修繕を施さなければならず、資産価値を維持するためにも、こまめに修繕を行っておかなければ維持する事は難しいでしょう。

まず、長期修繕計画を立てる事から始まりますが、大規模修繕の実施時期・工事内容・費用の予測によって、修繕積立金の金額を算出し、その額で実施可能かを検討していきます。
大規模修繕前に積立金が不足していた場合、居住者から追徴する場合や、事前に増額を行ったり、更には借入を起こす場合があります。

総戸数が多いマンションですと1住戸あたりの負担も軽くなってくるので、どうしてもそのマンションでないといけないなどの理由がある場合を除いては、マンションの総戸数は多いものを選んでいただくと良いのかもしれません。

修繕も余分な出費とならないよう、しっかりと管理組合で話合いを行い、削減できる費用などを見直す必要があります。
これは大規模修繕だけでなく、火災保険なども大幅に削減できる項目となります。
同じマンションに住んでいる住民同士、他人任せにせず、当事者として取り組む事が重要かと思います。

なお、新築当初は低く設定している修繕積立金ですが、一般的には㎡単価250~300円前後が妥当とも言われています。
マンション全体の管理がしっかりしていないマンションは要注意となり、資産価値にも影響します。
安いから良い、高いから安心という事ではなく、住宅購入時にはしっかりと長期修繕計画を確認して、ご自身が住むマンションの事を知っておきましょう。

また、住み始めてからは集会などに参加して、無駄な修繕金発生していないかのチェックをすることもお勧めします。

法律で定められた耐震基準と消費者が期待する耐震性の違い前のページ

家計の逆風となる?!『住宅ローン』の金利上昇について次のページ

ピックアップ記事

  1. 土地価格の相場を知る方法
  2. 立地適正化計画をご存知ですか?
  3. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?
  4. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  5. 住宅購入は不安でいっぱい

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    不動産に公的IDを発行して取引履歴を管理?!中古住宅促進に「履歴書」?!

    2018年9月8日の日本経済新聞朝刊に『不動産に「履歴書」導入 国交省…

  2. 不動産取引ガイド

    大事な老後資産 50歳になったら検討しましょう。

    現在、住んでいる「家」は自分達の老後の時期大丈夫ですか?広過ぎる、…

  3. 不動産取引ガイド

    借地権付き建物の意外な落とし穴!

    販売チラシを見ていて、「これは安いな」と思う物件を良く見てみると、土地…

  4. 不動産取引ガイド

    木造戸建住宅で採用されている断熱工法

    最近の住宅は気密性が高く断熱工法は大きく分けて2種類あります。一般…

  5. 不動産取引ガイド

    連帯債務者の団信

    フラット35でも住宅ローンを組む際に団体信用生命保険(団信)に加入され…

  6. 不動産取引ガイド

    不動産は「リアル」と「メタバース」、2つ所有する時代になる?!

    ■突然ではありますが、「メタバース」をご存知ですか?!突然ではあり…

  1. かし保険

    改正宅建業法施行は「既存住宅売買瑕疵保険」の普及が目的?!
  2. お金・ローン・税金

    非正規雇用契約労働者のローン申込みについて…
  3. 不動産取引ガイド

    ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)の普及率ランキング!今後の住宅購入の参考に!
  4. 不動産取引ガイド

    防災に備えて不動産購入!地震ハザードステーションHPを確認する?!
  5. お金・ローン・税金

    『同じ借入額でも数百万の差!? フラット35「S」金利引下げ幅拡大終了』
PAGE TOP