不動産取引ガイド

コロナ禍における、住まい探しポイントとは

コロナの影響で、住まい探しの方法にも変化が見られる、という報道があります。

テレワークが浸透し、都心への集中需要が緩和され、郊外のニーズが高まっている、といった流れもあります。

また、マンションなどでも、テレワーク用の書斎があるなど、間取りについても人気のタイプに変更があるようです。

【強気な売り手】

一部のアンケートでは、「今が売り時だと思う」や「どちらかというと売り時だと思う」と回答した売主が、約50パーセントに上る、という発表がありました。

「不動産の価格が上昇している」、「好条件での売却が期待できる」といった意見が大勢を占めているようです。

ただ、一部、「今後の景気が不透明だから」といった理由もあります。

実際にここ数年の不動産価格を見てみると、都心などでは大幅な価格上昇の傾向が続いていました。

一方で、都心の商業エリアでは、空室数が上昇しており、価格の下落の兆しも出てきています。

今後の不動産価格については、やや注意が必要な状況です。

【買い時はいつなのか?】

それでは、住宅購入検討者にとっての買い時はいつなのでしょうか?

現時点で物件価格が高めである、という点はありますが、物件価格が下がるのを待つ、という判断も、一概にはお勧めできません。

実際に、購入検討者の意識調査でも、3割近い方が「買い時だと思う」と判断しているようです。

その理由としては、「住宅ローンの金利が低水準だから」が6割を超えました。

フラット35の35年間固定金利でも1パーセント台、変動金利にすると1パーセントを切る、という金利は、いわば空前の低金利と呼ばれる状態になっています。

不動産価格の下落を待つ間に、金利が1パーセントでも上がってしまえば、不動産価格の下落分などはすぐに相殺されてしまいます。

そして、その間に支払った家賃は、そのまま消費されていくことになります。

もちろん必ず金利が上がるわけではありませんが、同時に不動産価格が下がる確証もありません。

【値下がりしにくい物件を選択する】

高過ぎる物件を購入することはもちろん避けたいですが、弊社では「値下がりしないこと」を重視することをお勧めしています。

たとえば、5000万円で買った物件が、10年後に4500万円で売れれば、年間の家賃は50万円です(※)。1ヶ月4万円ちょっとで住めた計算になります。
(※不動産売買の諸費用や、固定資産税等は考慮していません。)

一方で、4000万円で買った物件が、10年後に2000万円にしかならなければ、年間家賃200万円、月々16万円強の計算となってしまいます。

購入金額が1000万円違うとしても、総支出で見れば、値下がりしにくい物件を購入することが大切なことは明白です。

【不動産購入は、立地と金利で決まる】

失敗しない住宅購入は「立地」と「金利」にかかっています。

将来的に需要がなくならない立地にあること、が第一のポイントです。

駅から遠い、洪水被害や液状化で危険、将来のインフラ整備維持が心配、といったエリアは避けるようにしましょう。

また、住まい購入の総支出を決めるのは、住宅ローンの金利です。

物件の高い安いだけでなく、住宅ローン金利の動向についても、アンテナを張るようにしましょう。

信頼できる家探しのパートナーを見つけることもお住まい探しの近道になるかと思います。

ぜひエージェントまでご相談ください。

今更ですが、台風が発生した場合の備えはしっかりと。前のページ

不動産購入の大まかな流れを知ろう!次のページ

ピックアップ記事

  1. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?
  2. 住宅購入と 生涯の資金計画
  3. 危険な場所は 地形図で見分ける
  4. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  5. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    災害の備えとしての「思い出の保存」について

    台風や豪雨、津波などの自然災害の際、逃げ遅れて被災する痛ましい事例が発…

  2. 不動産取引ガイド

    不動産を「エバリュエーション」しましょう!

    「エバリュエーション(evaluation)」という言葉をご存知ですか…

  3. 不動産取引ガイド

    ライフプランに合ったキッチンプラン

    主婦として使いやすいキッチンには憧れがあります。料理が作りやすい動…

  4. 不動産取引ガイド

    「東京23区は億ションだらけ?!」は間違い!

    東京23区の新築マンションは2023年、平均価格で1億円超えが続いてい…

  5. 不動産取引ガイド

    契約時に払う『手付金』とは何か? 何に注意をすればよいか?

    不動産購入の売買契約を結ぶ際に、買主は売主に対して「手付金」というもの…

  6. 不動産取引ガイド

    住所変更登記の義務化について

    先日、相続登記が義務化されるという記事を作成しましたが、同じように住所…

  1. 不動産取引ガイド

    ~土地の過去を知ることで、安心・納得の住まい選び~住宅購入時に役立つ「古地図」活…
  2. 不動産取引ガイド

    雷が家におちたらどうなるの?
  3. お金・ローン・税金

    住宅優遇制度一覧
  4. 不動産取引ガイド

    消し忘れに注意したい買戻特約
  5. 不動産取引ガイド

    はしご車は何階まで届くか?
PAGE TOP